新たな製造業改革への一歩:JMACのMzX研究会発足
株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)は、日本の製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するための「ものづくりトランスフォーメーション(MzX)研究会」を新たに設立しました。製造業界では、インダストリー4.0やDXというトレンドが広がる一方で、実際の取り組みは部分的であったり、大きな成果を上げられていないことが多く、ノウハウ不足が一因とされています。
MzX研究会は、経済産業省とNEDOが提唱した「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン(SMDガイドライン)」に基づいて活動を開始し、日本の製造業が抱える課題を明確にし、解決への道筋を探ることを目的としています。特に、企業内部の取り組みを機能単位ではなく、部門を横断する形での付加価値の連鎖として考えることが重要です。
研究会の目的
MzX研究会の設立にあたり、以下の4つの柱を中心に活動を展開します:
1. 各社の「ものづくりトランスフォーメーション」への支援
2. MzX賞への挑戦の促進
3. 業界への新しい提言の実施
4. SMDガイドラインの継続的な進化
特に、MzX賞は一般社団法人日本能率協会(JMA)が創設し、2026年1月から応募を開始、2027年2月には受賞者が発表される予定です。この賞は、製造業界における優れた取り組みを評価するもので、各社の革新を促します。
初年度の活動内容
研究会は初年度において、食品製造業を中心とした議論を行います。特に、エンジニアリングチェーン、プロダクションチェーン、サプライチェーンという3つの軸を持ち、5〜6社で構成される分科会を設けて活動を進めていきます。
分科会ごとの研究テーマは以下の通りです:
- - エンジニアリングチェーン:食品業界に適したエンジニアリングのあり方について、主な課題やデジタル技術の適用について議論します。
- - プロダクションチェーン:スマートファクトリーの実現に向けた共通の変革シナリオを設定し、解決策を具体化します。
- - サプライチェーン:食品業界におけるデジタル化が遅れている現状を踏まえ、スピーディーかつ効率的なサプライチェーン構築に向けた課題を整理します。
進捗スケジュール
MzX研究会は2026年1月から11月の間で計6回の議論を行い、各分科会ごとのアジェンダに基づいて進行します。初回はイントロダクションとして、業界の現状や参加企業の期待を共有し、続いて重点課題の設定、デジタル活用課題の検討などを行います。
最終回では、研究結果をまとめ、今後の方向性について共通認識を持つための発表を行います。会場は東京都港区にある日本能率協会ビルや八重洲サテライトオフィスで行われます。
SMDガイドラインの重要性
本研究会の土台となるSMDガイドラインは、経済産業省とNEDOが共同で策定したもので、製造業のDXを効率よく進めるための構造的なフレームワークを提供します。特に、エンジニアリング、サプライ、プロダクション、サービスの4つのマニュファクチャリングチェーンに基づいたアプローチは、各企業が直面する具体的な課題解決に大いに役立つと期待されています。
このような新しい取り組みが日本の製造業をより効率的にし、国際競争力を高めることに貢献することを、私たちは期待しています。