海洋散骨サービスの進化
近年、海洋散骨という新しい供養の形が注目を集めています。特に「海洋記念葬®シーセレモニー」を運営する株式会社SPICE SERVEは、東京湾を中心に全国および海外で海洋散骨サービスを提供し、この数年間で驚異的な成長を遂げています。2024年7月から2025年6月の第17期には、年間実施件数が1,420件に達し、2020年と比べて約11.8倍に増加しました。この成長の裏には、様々な要因が隠れています。
散骨の形が多様化
シーセレモニーでは、特に複数名の故人を同時に散骨するケースが急増しています。前年の69件から228件へと3.3倍に跳ね上がった理由は、故人を一緒に旅立たせたいという家族の強い願いから来ています。墓じまいや遺骨整理の際に、複数の故人を一緒に供養する動きが広まっています。
その背景には、全国的な墓じまいの増加があります。多くの家族が「夫婦や親子で同じ海に還りたい」との思いを抱える中で、親族が集まるタイミングを利用して一緒に散骨するニーズが高まっています。これは単なるビジネスの成長を超え、家族の感情や絆を大切にした供養の形として認識されています。
乗船散骨の人気
シーセレモニーの「乗船散骨」の選択率は全体の約60.6%を占め、自ら故人を見送る体験を重視する遺族が増えています。乗船型の散骨サービスは、ただ遺骨を海に散布するだけではなく、心に残る記念日を作る重要な機会となっています。実施期間中の乗船人数は3,500人を超え、多くの遺族の希望に応える結果となっています。
このような散骨のスタイルは、非日常的な空間での体験を提供することにより、遺族にとって感動的な思い出を作る場ともなっています。それは故人との最後の時間を特別に演出することに繋がり、喪失感を乗り越える手助けにもなっています。
海洋散骨の新たな展開
昨今では、単なる経済的な理由から海洋散骨を選ぶのではなく、故人の希望を尊重する形での選択が増えています。たとえば、2023年10月から始まったリゾート散骨™では、ハワイやグアムなど海外での散骨も盛況です。国内需要の拡大に伴い、利用者も増えており、「この海に散骨したい」という強い意志が見えます。
まとめ
シーセレモニーは、この6年間で実績を増し続け、単に数字を追い求めるのではなく、本質的な供養の提供を目指しています。海洋散骨が家族の想いや新しい供養の形を反映したサービスであることから、今後もさらなる注目が集まりそうです。供養の多様化が進む中で、シーセレモニーは今後どのような次のステップを踏むのか、一層の注目が集まります。