ドライバーの睡眠改善に向けた研究成果の発表
株式会社WizWeの研究機関、WizWe習慣化研究所がドライバーを対象とした睡眠改善プログラムの行動段階と成果の関連についての新たな研究成果を日本心理学会第89回大会で発表しました。この研究は、ドライバーの健康維持と交通安全の重要性が求められる現代において、非常に示唆に富むものとなっています。
研究の背景
近年、睡眠不足が交通事故の原因とされ、ドライバーが適切な睡眠をとることが社会的にも課題として認識されています。2018年からは、運送業界においても睡眠チェックが義務化され、この問題に対処する必要性が高まっています。WizWeの研究チームによると、参加者の意識や行動段階の違いによって、睡眠改善に向けた取り組みの成果にも差が生じることが明らかになりました。行動変容ステージモデルによれば、健康行動は「無関心期」から「維持期」まで段階的に進むことが示されていますが、これを睡眠の改善にも当てはめることができるというものです。
調査の方法
本研究では、関東および甲信越地方の運送会社に勤務するトラック、タクシー、バス運転手の27名(全員男性、30代から60代)を対象に、2024年4月から7月の4か月間にわたり睡眠改善プログラムを実施しました。参加者には以下の行動を依頼しました:
1. スマートウォッチを用いた睡眠計測
2. LINEを通じて配信される睡眠改善情報の視聴
3. 具体的な睡眠改善アクション目標の選択
4. 実行記録の入力
また、参加者には定期的に個別のメッセージが送られ、サポーターとの自由なコミュニケーションも奨励されました。
研究結果と考察
参加者の行動量をもとに、3つのクラスタに分類しました。具体的な内容は以下の通りです。
- - 非アクティブ群:行動量が低い
- - 関心群:情報に対する関心は高いが、実行が伴わない
- - アクティブ群:すべての行動量が高い
この行動段階における睡眠スコアを比較した結果、睡眠の質がアクティブ群で高く維持されていることが確認されました。特に、非アクティブ群の参加者は睡眠質が低下する傾向が見られました。これにより、行動段階が進むことで睡眠の質が改善される可能性が示唆されました。
研究の意義
この研究から得られた知見は、ドライバーの健康と安全を守るためには、単に睡眠改善プログラムを導入するだけでは不十分で、参加者の行動段階に応じた支援が必要だという重要な示唆を与えます。今後は、交通業界に留まらず、ヘルスケア全般への応用が期待されます。
研究者について
主任研究員の丹野宏昭 Ph.D.は、筑波大学大学院で心理学を専攻し、現在はWizWe習慣化研究所で教育・ヘルスケアに関する研究を行っており、独自のアプローチで習慣形成を支援しています。
運送業界にとっても、そして広く社会全体にとっても、睡眠改善は今後ますます重要な課題となるでしょう。