量子科学スタートアップ
2022-04-07 10:10:01
東大発の量子科学スタートアップTopoLogicが1.3億円の資金調達に成功
トポロジカル物質の社会実装を目指すTopoLogicの挑戦
はじめに
東大発の新興企業「TopoLogic」は、量子科学の分野において注目を集めています。特に、トポロジカル物質を用いた新しい技術の開発を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。今年、同社は1.3億円の資金を調達し、さらなる研究開発に乗り出すこととなりました。
TopoLogicの背景
トポロジカル物質とは、特異な電子構造を持つ物質のことです。この物質は、2016年にノーベル物理学賞を受賞したことで、世界中で注目されるようになりました。これにより、今までの物質では実現できなかった特性を持つデバイスの開発が期待されています。TopoLogicは、東京大学の中辻・酒井研究室において、このトポロジカル物質の研究を基に、社会実装に向けた技術革新を行なっています。
目指すソリューション
TopoLogicは、トポロジカル物質を活用して、以下の2つの主要な技術の開発を行っています。
1. 熱電変換デバイス: 異常ネルンスト効果を利用することで、熱流を検知する「熱流センサ」や化学反応を捉える「化学センサ」、さらには発電デバイスへの応用をと目指しています。これらは、多様な分野での異常検知やデータ収集に役立つでしょう。特に、環境モニタリングや機器の故障予測において、高い効果を発揮することが期待されています。
2. メモリ素子: トポロジカル物質を用いたMRAMは、省エネルギー性に優れ、高速動作が可能で、さまざまなIoTデバイスや情報処理機器への活用が期待されています。将来的には、これらの技術を用いた新たなメモリ素子の開発に挑戦し、より多くの情報をより少ない消費電力で処理することを目指しています。
資金調達の意義
調達した資金は、上記のデバイスのプロトタイプ開発や基礎開発に充てられます。具体的には、熱電変換デバイスのプロトタイプの開発と、トポロジカル反強磁性体を利用したメモリ素子の実現に向けた基礎研究が進められる予定です。この資金調達により、同社は技術課題を解決し、早期に製品化を進める体制を構築することができます。
今後の展望
TopoLogicは、さらなる技術革新を通じて、社会実装に向けた新たな材料の探索と開発を行ないます。また、国内外の企業との連携を進め、イノベーション・エコシステムの構築にも貢献していく方針です。これにより、量子科学の分野において広がる可能性を追求し、社会の変革に貢献することが期待されます。
終わりに
「TopoLogic」は、新たな技術の創出を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。今後の展開から目が離せません。関連企業や研究機関との協力を通じて、量子科学の発展に寄与していくことでしょう。
会社情報
- 会社名
-
TopoLogic株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷7-3-1東京大学アントレプレナープラザ703
- 電話番号
-
03-5990-9509