生成AIと業務時間削減
2026-02-03 10:31:47

生成AI活用の実態調査から見える業務時間削減の現状と課題

生成AI活用の実態調査から見える業務時間削減の現状と課題



株式会社パーソル総合研究所が発表した「生成AIとはたらき方に関する実態調査」によると、生成AIの業務利用人口は全国で約1,840万人に達しています。これは全就業者の32.4%にあたります。しかし、生成AIの活用によって明確な業務時間削減を実感できたのは利用者の25.4%に過ぎません。調査結果は、企業における生成AIの運用に関する課題や、効率化の実現可能性について照らし出しています。

生成AIの業務利用状況



調査では、生成AIの業務利用は都市部に大きく偏っており、特に東京ではその利用割合が41.4%と突出しています。一方、福井・新潟・高知などの地方では20%未満と比較して、これらの地域間での利用格差が明らかとなりました。例えば、情報通信業界では61.3%という高い利用率が記録されていますが、他の業種と比較すると際立っています。

また、日常的に生成AIを活用している「ヘビーユーザー」は全体の11.7%にとどまり、週に1〜3日使用する「ミドルユーザー」が多数を占めています。これは、生成AIの普及がまだ始まったばかりであり、日常業務における利用頻度にバラつきがあることを示しています。

誰が生成AIを利用しているのか



利用者の年齢や性別、職位によっても大きな差があります。20〜30代の男性の4割が利用している一方、30代以上の女性や高齢層では利用が低調で、特に60代女性においてはその割合は1〜2割にとどまっています。また、管理職層は利用率が高いものの、経営層では逆に低い傾向が見られ、職位による利用格差が鮮明になっています。

生成AIを使わない理由の上位には、「必要性を感じない」「使い方が分からない」「業務適用のイメージがない」が挙げられています。特に、一般職は「使い方や不安の壁」を感じているのに対し、経営層は「活用イメージの不足」に課題を抱えていることがわかりました。

効率化の効果と限界



生成AIを使うことで、タスク単位で業務時間が平均16.7%削減されたとされていますが、具体的に削減に成功したのは全利用者の約25%に過ぎません。また、削減された時間の多くは日常業務に再投下されるため、改善や新たな取り組みへの投資には至っていない状況です。これは、生成AIが効率化を実現しきれていない要因の一つです。

組織的な普及と成熟度



生成AIを効果的に活用するためには、成熟度が重要な要素です。本調査では、生成AI利用者の成熟度によって、業務の効率性や品質、創造性が高まっていることが示されています。成熟度の高い群では、利用用途が拡大し、時間削減効果も大きくなっていました。

また、企業による生成AIの導入方法は「仕組み化」「手探り運用」「現場任せ」「統制」の4タイプに分類され、それぞれの成熟度やリスク、時間削減効果に違いが見られました。「仕組み化タイプ」は活用度が高く、他のタイプに比べてリスクも顕在化しやすいことから、運用の状況に応じた方針策定が必要です。

まとめと提言



調査結果からは、生成AIの効率的な活用には、利用者の層を広げ、彼らのスキルや実務に即した支援が不可欠であることがわかります。具体的には、削減された時間を単に日常業務に投入するのではなく、価値のある活動に振り向ける仕組みが求められます。また、企業リーダーが率先して生成AIを活用し、その経験と知識を周囲に伝えることが普及の鍵となります。

この調査は、生成AIが業務効率化に寄与するポテンシャルを秘めつつも、まだ課題が多く残ることを示しており、今後の取り組みへの指針となるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社パーソル総合研究所
住所
東京都江東区豊洲三丁目2番20号豊洲フロント7階
電話番号

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