乙女ゲー転生バトルとゆるふわ冒険譚、ライコミ新連載2作がガツンと始動！読書の秋に注目の逸品

ライコミに新風！二作の魅力を紐解く

マイクロマガジン社が運営するウェブコミックプラットフォーム「ライコミ」で、個性豊かな新連載が同時に幕を開けた。舞台も作風も対照的な二作が、読者の好奇心を刺激する。ひとつは乙女ゲーム世界を舞台にした転生バトルもの、もうひとつは日常と異世界をゆるく行き来する冒険譚。どちらもそれぞれの色を持ち、異なる読後感を約束する。

『恋愛魔法学院～乙女ゲー世界で最強を目指す～』

漫画：はのい／原作：岡村豊蔵／キャラクター原案：Parum

主人公は、気づけば乙女ゲームの攻略対象キャラクター「アリウス」として目覚めていた青年。シナリオどおりの恋愛イベントに翻弄される道を拒み、キャラクター枠を越えて“人間”として強さを追求する姿が描かれる。恋愛要素を背景に、剣と魔法で繰り広げられる戦闘シーンが見どころ。既存の乙女ゲームモチーフを逆手に取り、アンチヒーロー的な立ち位置から物語を組み立てる点が新鮮だ。

作画担当・はのい氏の描写は、戦闘の躍動感と感情の細やかさを両立させ、キャラクター原案のParum氏が与えた印象的ビジュアルを引き立てる。原作の岡村氏による設定を踏まえつつ、コミック版ならではのテンポと演出で物語が再構築されている。

『放課後の迷宮冒険者』

漫画：クニくん／原作：樋辻臥命／キャラクター原案：かれい

一方の『放課後の迷宮冒険者』は、高校生の九道晶が日本と異世界「ド・メルタ」を自由に行き来できる能力を持つという設定。主人公は派手な英雄譚を求めず、食べ歩きや迷宮探索、そしてちょっとした大人の楽しみに舵を切る、ゆるくも楽しい日常系冒険譚だ。

作風は肩の力を抜いて楽しめるタイプで、グルメ描写や迷宮の謎解き、ほんのり色気のあるシーンなど、多彩な要素が穏やかなテンポで展開する。作画のクニくん氏はキャラクターの表情や日常の細部を丁寧に描き、読者に寄り添う空気感を生み出している。

どちらを読むべきか？

濃厚なバトルと主人公の成長譚を求めるなら『恋愛魔法学院』、肩の力を抜いて異世界の風景や食事、のんびりした冒険を楽しみたいなら『放課後の迷宮冒険者』が向く。二作とも作家陣の個性が光るので、両方チェックして趣向の違いを味わうのもおすすめだ。

ライコミとラインナップの特徴

ライコミはGCノベルズ系コミカライズを含む多彩な作品群を揃えるウェブ雑誌で、新人から中堅まで幅広い作家が活躍している。今回の二作は、同サイトの編集方針である“読者の一歩先を刺激する”ラインナップに合致する新顔。季節の変わり目にぴったりの読み応えを提供してくれる。

今後の展開や連載ペース、単行本化の動向にも注目したい。読者としては、第一話の導入でキャラクターに惹かれたら、その勢いで連載を追いかけるのが正解だろう。ライコミで新しい推しを見つけてみてはいかがだろうか。