多汗症に関する最新調査とその現実
調査の背景と目的
多汗症は、多くの日本人が抱える悩みの一つです。日本人の約5〜7%がこの疾患に罹患していると言われていますが、実際には「体質だから仕方ない」と諦めている方が多数を占めています。本調査は、多汗症に悩む全国の20〜50代の男女300名を対象に実施され、その実態を明らかにすることを目的としました。特に冬場における多汗症の影響は深刻であり、周囲の理解が得られにくいことが精神的な負担をさらに増幅させています。これにより、病状の根本的な理解と治療法の認知度向上が急務であると考えています。
冬場の多汗症は思った以上に深刻
調査結果によると、冬場でも多汗症に悩まされていると答えた人は72.3%に達しました。この結果は、季節を問わず多くの人々にとって多汗症が慢性的な悩みであることを示しています。特に暖房の効いた室内や緊張する場面での発汗で苦しむ人々が多いことが推測されます。
多汗症の部位の違いとその影響
特に多いのは脇汗と手汗で、全体の71%を占めました。それぞれ、脇汗は38.7%、手汗は32.3%と記録されています。これらは対人関係や仕事に直結する部位であるため、日常生活への影響は非常に大きくなります。例えば、手汗は書類や電子機器を扱う際に直接的な支障を来すため、そのストレスは計り知れません。
治療の認知度が低い事情
多汗症が医療機関で治療できることを知っている人はわずか28.7%しかおらず、そのために治療行動を起こしている人は8.3%という驚くべき数字が明らかになりました。このように多くの方が治療法に関する情報不足に悩まされている現状が浮き彫りになりました。
何科で受診するかが最大の障害
また、「何科を受診すべきかわからない」という理由が34%に達し、情報不足が受診の大きな壁となっています。多汗症は皮膚科や形成外科での診察が可能であり、重度の脇汗に対するボトックス治療は保険適用があることを知っている人が少ないのです。正確な情報の提供が、今後の受診率向上の鍵を握っています。
治療法の選択肢
治療法としては、症状の程度や部位によって選ばれるべきですが、軽度や中等度の手汗には塩化アルミニウム外用剤やイオントフォレーシスが推奨されます。中等度を超える脇汗にはボトックス注射やミラドライが効果的です。重度の人は、保険適用の剪除法手術も選択肢に含まれます。
情報の啓発が求められる理由
アイシークリニックの髙桑康太医師は、多汗症は「体質だから仕方ない」ということではなく、治療によって症状が大幅改善できる疾患であると指摘しています。今回の調査結果は、季節に関係なく多汗症で悩む人々が多数存在することを示しており、その多くが適切な治療を受けていないという現実に対する情報提供や啓発が必要です。
まとめ
冬の季節においても多汗症に悩まされ続けている人々の多くが、正確な情報の不足から治療を受けていない現状が浮彫りになりました。患者たちが早期に専門医を受診し、適切な治療を受けることができる環境を整えることが急務です。医療機関への情報提供や啓発活動が進むことで、多汗症に苦しむ人々のQOL向上が期待されます。