革新の一手がもたらすいちごの美しさ
静岡県浜松市に本拠を置く株式会社マラナタが、いちごの鮮度を保つための新しい梱包資材「無重力トレー」を発表しました。このトレーは、果実を傷めることなく、安定した防腐効果を発揮することができる画期的な商品です。
農家の現場からの苦悩
美しいいちごが実ることは農家にとって大きな喜びですが、その魅力を遠くの市場に届けることは容易ではありません。特に、いちごはデリケートな果実であり、輸送中の揺れや摩擦によって容易に傷んでしまいます。そのため、いちご農家からは「新品種を百貨店に出したいが、輸送中の品質が心配」という声が多く聞かれます。
無重力トレーの革新性
「無重力トレー」とは、トレーと果実を保護するフィルムが分離された構造を持ち、果実に直接触れることなく防腐剤を効果的に使用できるシステムです。エタノール蒸散材をトレーとフィルムの間に挟むことで、防腐効果を全体に広げることが可能になり、いちごのカビや腐敗のリスクを大幅に軽減します。
実験によると、このトレーを使用すると、冷蔵状態でいちごの外観を3週間以上保持できることが確認されています。これにより、長距離配送やふるさと納税、ギフト用の包装にも適した新しい選択肢となっているのです。
製品の詳細
無重力トレーの構成は、トレー、果実保護フィルム、蓋、帯の4つからなります。また、対応するいちごの粒数は汎用で5粒から20粒、専用の章姫用では9粒から18粒に対応しています。このように、様々なニーズに応じた利用が可能です。
- エタノール蒸散材による防腐が可能
- 浮かせた構造で揺れや傷を防止
- 冷蔵で外観を3週間保持(検証済)
今後の展望
株式会社マラナタは、無重力トレーを通じて、いちごの流通をサポートし、地域農業の振興に寄与することを目指しています。今後も農業の現場目線で、利便性の高い製品作りを追求し続けるでしょう。
また、無重力トレーは、いちごだけでなく他の果物や名産品にも応用できるポテンシャルを秘めています。そのため、今後はもっと多くの果物の鮮度を保つための新たな技術開発も期待されます。
最後に
株式会社マラナタの提供する無重力トレーは、鮮度保持の新しい挑戦として、今、非常に注目を集めています。果実の美しさや新鮮さを大切にするための先進のアプローチが、果物業界に革命をもたらす日も近いといえるでしょう。