終活をサポートする子どもへの期待、60代以上の親の実態とは

終活をサポートする子どもへの期待

近年、高齢者の「終活」に対する関心が高まる中、終活を進める60代以上の親が子どもにどのようなサポートを求めているのか、そしてその背景にはどのような理由があるのかについての実態調査が行われました。その調査結果から明らかになったことを紹介します。

調査の背景

「終活」とは、人が人生の最終段階を迎えるにあたり、自らの意志で必要な準備を行うことを指します。社会における高齢化が進む中、多くの高齢者が終活を通じてより良い最期を迎えたいと考えるようになっています。それに加え、スマートフォンやネットバンキング、SNSなどのデジタル技術を利用する高齢者が増え、これらのデジタル遺品の整理が新たな課題として浮上しています。こうした状況下で、「家族には迷惑をかけたくない」と考える高齢者も多く、子どもにサポートを求める声が聞かれるようになりました。

調査結果の概要

「終活と相続のまどぐち」が実施した調査によると、現在終活を行っている60代以上の親の35%以上が子どもに終活のサポートを求めていることが明らかになりました。特に、親たちは「デジタル情報の整理」や「家族との終活に関する話し合い」を中心に、子どもにサポートを期待しているとしています。具体的には、以下のようなサポートが求められています。

- 医療や介護に関する意思の共有や相談
- 家や持ち物の整理
- 葬儀やお墓に関する準備・手続き

子どもへのサポート依頼の理由

調査に参加した親たちが子どもにサポートを求める理由として最も多かったのが「子どもが実際の手続き当事者になるから」というもので、この回答は75.2%に上りました。他にも「家族の意向を尊重して一緒に進めたいから」（49.1%）や「子どもとの信頼関係があるから」（41.5%）といった理由も挙げられました。

子どもへの依頼の実態

実際に子どもにサポートを頼んだことがある親は約40%となり、その中の80%以上が「頼んだことで終活がスムーズに進んだ」と感じています。これに対し、実際にサポートを頼んだことがない親は63%に上り、このギャップが今後のサポート体制において改善が必要だと考えられます。

終活への不安とは

しかし、終活を進める中で感じる不安も多く、特に「子どもへの負担」という意見が53%を占めました。このように、多くの親が子どもに迷惑をかけたくないと感じていることが、サポートを求める際の障害となっていることが課題として浮き彫りとなりました。

終活のサポートを受けるための選択肢

現在、親のサポートを依頼したいと考える方々にとって、子どもだけでなく、専門家に相談することも選択肢の一つとなっています。弁護士などの専門家に「死後事務委任」を依頼することで、自分の希望に沿った手続きを託けることが可能です。そして、終活の一環として、相談窓口を設ける「終活と相続のまどぐち」では、そうした親たちが安心して終活に取り組むための支援を行っています。

このように、終活が重要視される中で、親が子どもに求めるサポート内容やその意向を理解することが大切です。今後も、子どもに頼れない方々が安心して終活に取り組めるよう、様々なサポートが求められるでしょう。