中小企業の業況判断DIが2期連続で低下する厳しい現状
独立行政法人中小企業基盤整備機構が発表した2025年10-12月期の中小企業景況調査の結果によると、全体の業況判断DIは▲17.5と前期比で0.7ポイント減少し、2期連続での低下を記録しました。この調査は、全国の中小企業の業績を把握し、今後の施策立案の参考にするための重要なデータです。
調査結果の概要
業況判断DIの変動
中小企業の業況判断DIが下がる中、製造業と建設業の判断は上昇したものの、小売業、サービス業、卸売業はそれぞれ低下しました。特に製造業のDIは前期比1.8ポイント増の▲17.8となり、2期ぶりに上昇を見せています。一方、非製造業では建設業が若干の改善を見せたものの、小売業は▲28.4、サービス業は▲13.2、卸売業は▲15.6と厳しい結果が続いています。
売上単価と採算の状況
2025年4-6月期以降、小売業が売上単価DIをプラスに転じたことで、全産業がプラス圏での推移となっています。しかし、採算DIに関しては、2022年4-6月期以降にすべての産業で上昇傾向が続いているものの、小売業は依然としてマイナスの水準で推移しています。
調査の実施方法
この調査は、2025年11月15日に実施され、全国の商工会や商工会議所の経営指導員が中小企業を訪問し、聴き取り調査を行いました。調査対象とした中小企業の数は18,838社で、有効回答を得られた企業は17,901社、回答率は95.0%に達しています。
中小企業景況調査の重要性
中小企業基盤整備機構では、1980年より四半期ごとに景況調査を実施しています。この調査は、産業別や地域別に中小企業の実態を把握し、政策立案の基礎資料を提供することを目的としています。調査対象の約80%は小規模事業者で、そのうち約50%は個人事業主が占めており、日本の中小企業の実情を反映した貴重なデータと言えるでしょう。
中小企業支援機関の役割
中小企業基盤整備機構は、中小企業やスタートアップのイノベーションを促進し、地域経済の活性化を図る政策実施機関です。経営環境の変化に応じた支援を提供し、持続的な成長を目指す中小企業の経営課題を解決するために、様々な施策を展開しています。これにより、経済の発展に寄与することを目指しています。
今後の展望
中小企業の業況が厳しいことは確かですが、支援機関による政策や施策の効果が徐々に現れることが期待されます。今後も中小企業の状況を注視し、必要な支援を行っていくことが重要です。エコシステムの一部として、中小企業が自立的に成長できる環境を整え、経済全体の活性化につなげていくことが求められていきます。