那部智史氏が受賞した『小倉昌男賞』とは?
NPO法人AlonAlonの理事長、那部智史氏が『第27回 ヤマト福祉財団 小倉昌男賞』を受賞した。この賞は障害者の就労支援や福祉の向上に卓越した功績を挙げ、自立と社会参加を促進した個人に贈られる名誉あるものだ。
受賞の背景と業績
那部氏は自身の息子が特別支援学校を卒業後、就労継続支援B型事業所を利用した経験から、福祉業界における構造的な課題、特に低工賃や低い就職率を深く理解した。これを受け、彼は経営していたIT企業を売却し、AlonAlonを設立。彼の活動は、障害者の雇用と就労を新たな視点から捉え直すものである。
科学的アプローチによる技術の可視化
特に評価された点は、職人技を科学的にマニュアル化した点である。彼は『30工程/6難易度(A〜F)モデル』を用いて、プロの職人技が必要とされる胡蝶蘭の栽培を分析し、B型事業所での技能習得を促進。これにより、スキルを身につけた利用者がパートナー企業に就職できる循環型のモデルを構築した。
経済的自立に向けた実績
AlonAlonの取り組みは、経済的自立を実現するための具体的な成果を上げている。第一園芸株式会社との連携により、就労継続支援B型事業所の月額平均工賃は63,538円に達し、2026年6月には単月最高工賃94,889円を記録。また、北九州市の事業所『Aimowl(アイモール)オーキッドガーデン』でも見事な成果を上げ、開所18ヵ月で43,000円超の月額平均工賃を実現した。
福祉の在り方を変える理念
那部氏は、障害者を『お世話する対象』から『市場で選ばれる存在』へと変革する理念を持ち続けている。福祉予算の増額が見込まれない中、自ら稼ぎ、納税をする社会的存在への転換に取り組んでいる。これは福祉の本質課題への挑戦とも言える。
受賞後のコメント
那部氏は今回の受賞について、「歴史と権威のある『ヤマト福祉財団 小倉昌男賞』をいただき光栄です。この受賞は私だけのものではなく、メンバーや支援者、企業の皆様の協力のおかげです。」と述べ、今後も福祉のビジネス化を推進し、障害者が誇りを持ち、自立できる社会の実現を目指すと語っている。
AlonAlonの理念と活動
NPO法人AlonAlonは「障がい者という言葉がなくなる社会」を目指し、胡蝶蘭や高級マンゴーを通じて障害者の就労支援を行っている。独自のモデルによって、従来の支援とは一線を画し、一人ひとりがプロの技術を磨く環境を整備。全国平均を大幅に上回る高工賃を実現し、一般企業への高い就職率と定着率を誇っている。
Conclusion
これからの福祉のあり方において、那部氏の取り組みは新たなモデルとして期待されている。障害者福祉を単なる支援にとどまらず、社会全体で進化させていく彼のアプローチは、今後の動向に注目が集まる。
参考リンク