NSKの軸受再生技術
2025-09-24 14:19:57

NSKの新たな軸受再生技術がカーボンニュートラル社会を支援する

日本精工株式会社が挑む軸受再生技術


日本精工株式会社(NSK)は、カーボンニュートラル社会の実現を目指した新事業モデル確立に向け、軸受の再生・再利用に関する取り組みを開始しました。これは、製品ライフサイクル全体を通じてお客様との価値共創を図るものです。先日、グローバルに展開する製鉄会社のメンテナンス現場で、独自の診断技術を用いた実証実験がスタートしました。この挑戦は、鉄鋼をはじめとする産業における環境負荷軽減の一助となることが期待されています。

背景と課題


軸受は、鉄鋼や製紙、鉱山などの各種設備で不可欠な部品です。これらの設備では、定期的なメンテナンスにより軸受が取り外され、洗浄後に研磨や補修が施されています。しかし、軸受は製造時に大量のCO₂を排出し、その寿命を最大限延ばすことが求められています。現状では、メンテナンス中に軸受の余寿命を正確に把握する手法が普及していないため、寿命が残っている軸受が廃棄されることが課題となっています。この問題は、特に作業者の技量や年齢が影響しており、再利用可否の判断にばらつきが生じることもあります。

NSKの新たなアプローチ


これらの課題を解決するため、NSKは「非破壊疲労度診断」技術を開発しました。この技術を使えば、軸受を破壊することなく、その疲労度を現場で正確に判断できるようになります。また、再利用を前提とした「再利用可能軸受」の設計も進めており、ラインナップの拡充を図っています。これにより、軸受の状態をひと目で確認し、適切なメンテナンスや再利用が可能になるのです。さらに、軸受の製造から再利用までの情報を記録した「軸受トレーサビリティデータ」を利用し、最適な使用法の提案を行います。

今後の展開


NSKは、2026年からこの新たな事業モデルをソリューションとして提供していく計画です。今回開始した試験は鉄鋼業界にとどまらず、製紙や鉱山、さらに鉄道や風力発電など多様な業界に向けて展開していく予定です。この取り組みを通じて、NSKは顧客のメンテナンスコストの削減と環境負荷の軽減を図りつつ、社会課題の解決にも貢献します。これからもNSKは、多方面での価値協創を進め、持続可能な未来を実現するための一歩を踏み出し続けることでしょう。


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会社情報

会社名
日本精工株式会社
住所
東京都品川区大崎1-6-3日精ビル
電話番号

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