西日本豪雨から5年、真備町の復興とCWS Japanの活動
2018年7月、西日本を襲った未曽有の大雨は、広島県、岡山県、愛媛県など多くの地域に甚大な被害をもたらしました。中でも岡山県真備町は、高梁川と小田川の氾濫により町域の3分の1が浸水するなど、壊滅的な被害を受けました。それから5年、真備町はどのように復興し、どのような教訓を得たのでしょうか。
この災害に対し、いち早く支援に乗り出したのが特定非営利活動法人CWS Japanです。CWS Japanは、米国に本部を置くChurch World Service(CWS)の流れを汲む団体で、国内外の災害支援、防災啓発活動に長年取り組んでいます。
CWS Japanの真備町支援
CWS Japanは、西日本豪雨直後から真備町への緊急支援を開始。食料や物資の提供、被災者への心のケアなど、多岐にわたる支援活動を行いました。さらに、災害からの復興を支援するため、2つの重要な報告書を発表しています。
まず、災害発生から約半年後の2019年1月には「Six Months since Western Japan Flood – Lessons from Mabi」を発行。この報告書では、リスクコミュニケーション、早期警報システム、インフラ整備、避難行動、避難所の運営、ボランティア活動の管理など、災害対応における様々な課題と教訓を分析しました。
翌年7月には、「Towards Mabi’s Recovery – Lessons One Year On」を発表。こちらは、復興プロセスに焦点を当て、1年間の取り組みを検証し、今後の復興に向けた課題を示唆しました。
そして今年7月、西日本豪雨から5年目を迎えたことを受け、CWS Japanは改めて真備町を訪問。これまでの復興過程で得られた教訓をまとめた最新の報告書「Lessons from Mabi-Five Years of Recovery from the 2018 Western Japan Flood」を公表しました。この報告書は、初期対応から長期的な復興に至るまでの過程で得られた貴重な知見を網羅し、関係者や専門家、そして世界中の市民社会にとって貴重な資料となるでしょう。
CWS Japanの活動と歴史
CWS Japanは、戦後間もない1946年に設立された国際キリスト教奉仕団を前身とする団体です。当初は戦後の日本への救援活動から始まり、長年にわたり、国内外の災害支援、防災活動に尽力しています。2011年の東日本大震災を機に、CWS Japanとして活動を本格化。国内外で災害対応、防災支援、国際基準の普及啓発、政策提言など幅広い活動を行っています。
教訓と今後の展望
CWS Japanの報告書は、単なる災害記録ではありません。過去の災害から得られた教訓を未来へと繋ぎ、より効果的な防災、減災対策に役立てるための貴重な資料です。これらの教訓は、日本のみならず、世界中の災害リスクを抱える地域にとって、大きな意味を持つと言えるでしょう。
CWS Japanの今後の活動にも注目が必要です。被災地の復興支援はもちろん、防災意識の向上、国際的な連携強化など、多角的なアプローチで災害に強い社会づくりに貢献していくことが期待されます。
問い合わせ先
CWS Japan 事務局
[email protected]
関連リンク
Lessons from Mabi-Five Years of Recovery from the 2018 Western Japan Flood: https://bit.ly/44uuX42
Six Months since Western Japan Flood – Lessons from Mabi:
https://bit.ly/3NJWojM
Towards Mabi’s Recovery – Lessons One Year On: https://bit.ly/44mpSeg
CWS Japan HP:
https://www.cwsjapan.org/