宮崎の冷凍野菜製造が進化
宮崎県都城市に本社を構えるイシハラフーズ株式会社が、業界をリードする光学選別機TOMRA 5Cを導入し、前年比で生産量を倍増させたというニュースが、国内外で注目を集めています。イシハラフーズは1983年から冷凍野菜の加工を行っており、今や自社農場で栽培したほうれん草や小松菜、枝豆、ごぼうなどを急速冷凍し、日本全国に安心・安全な製品を提供しています。
イシハラフーズの企業背景
創業以来、卸売から始まったイシハラフーズは、2026年には50周年を迎える予定です。これまで長年にわたり冷凍野菜の加工業を展開し、品質管理と徹底した栽培管理を行う姿勢が功を奏し、信頼のブランドを築き上げてきました。近年では、農業従事者の減少という課題に直面し、機械化を進めるとともに、化学肥料や農薬の使用を半分以下に抑える特別栽培農産物の製造に力を入れています。
デジタル化と生産効率の向上
イシハラフーズは、15年以上前から農場と工場をデジタル化する取り組みを進めています。これにより、病害虫の発生状況、生育状況、発芽率など、各種データの管理が可能になりました。その結果、生産効率の向上に成功しています。
機械化の一環として2013年からTOMRAの選別機を導入し、ほうれん草の加工ラインでは作業員の数を大幅に削減。3分の1以下にすることに成功しました。省人化が進んだことで、生産効率も向上し、高品質な製品を安定的に供給する体制を整えています。
TOMRA 5Cの導入
2024年3月、イシハラフーズは最新のTOMRA 5Cを導入しました。この機械は、業界をどこまでも変える能力を持つセンサーと高解像度レーザーを搭載し、独自のバイオメトリックシグネチャー識別技術を活用しています。これにより、葉緑素を含む雑草や異物を迅速かつ高精度に検知できるため、歩留まりを最大化し、無駄を省くことが可能になりました。
生産性のデータ
導入後、生産は圧倒的なスピードで進行。時間あたりの生産量は3.6トンに達し、導入前の倍となりました。イシハラフーズの代表取締役社長、石原祥子氏は、これまでの手作業による選別では効率が悪く、品質の安定性も課題だったと語ります。TOMRAによるデモ機でのテストを通じて、1時間あたり4トンの処理が可能なシステムを確認し、決定打となったとのこと。
生産設備の重要性
特にこの冬は、気候変動によりほうれん草の生産が難しい状況となりましたが、TOMRA 5Cと新しく導入したフリーザーのおかげで、安心して農業経営を続行できています。職人の目による確認は不要になり、より多くの時間を他の生産活動に集中できるようになりました。
未来への展望
イシハラフーズでは、今後も農業のDX化を進めつつ、トレーサビリティや残留農薬の管理を強化する方針です。これにより、常に高い品質を維持しながら、冷凍野菜の生産を続けていく考えを示しています。冷凍野菜が求められるライフスタイルに応じて、機械化とデジタル技術の推進に取り組む姿勢は、食の安全と品質向上に大きく寄与するでしょう。
まとめ
イシハラフーズの取り組みは、農業におけるデジタル化や機械の進化を示す良い例となっています。今後も高まる需用に応じた生産体制を整えていくことで、冷凍野菜市場での競争も優位に進むことでしょう。イシハラフーズの将来に期待が高まります。