キアゲンががん治療薬に新たな診断キットの保険適用を取得
キアゲン、がん治療に新たな道を開く
株式会社キアゲンは、がん化学療法後に増悪したFGFR3遺伝子変異または融合遺伝子を有する根治切除不能な尿路上皮がんに対する、新規のコンパニオン診断薬の保険適用を取得しました。これは、Johnson & Johnson(以下、J&J)が開発した、FGFRチロシンキナーゼ阻害剤「バルバーサⓇ錠」(一般名:エルダフィチニブ)に関連するもので、今後のがん患者にとって重要な治療の選択肢として位置づけられています。
尿路上皮がんとは
尿路上皮がんは、主に膀胱に発生するがんです。実際、尿路上皮がんは膀胱がんの90%以上を占めており、腎盂から尿道にかけて存在する組織に発生します。尿路上皮がんの一部は転移性または根治切除不能であり、全膀胱がん患者の中で約5〜8%がその該当にあたります。特に転移性の尿路上皮がん患者のうち、約20%がFGFR遺伝子異常を抱えているとされています。
FGFRとその影響
FGFRは、受容体型チロシンキナーゼの一種で、遺伝子異常があることで活性化し、腫瘍細胞の増殖や生存を助ける働きがあります。このチロシンキナーゼの異常により、様々ながんが促進されることが指摘されています。したがって、FGFRの異常を持つ尿路上皮がん患者に対しては、FGFRチロシンキナーゼ阻害剤が有効な治療の一つとして期待されています。
「バルバーサⓇ」の重要性
J&Jが開発した「バルバーサⓇ」は、そのような患者に向けた治療薬です。がん化療法後に病状が悪化した洩れたFGFR3遺伝子変異または融合遺伝子を有する患者にとって、新しい治療の可能性を提供します。そのため、投薬の判断を行うためには、FGFR3遺伝子変異の診断が不可欠です。この役割を果たすのが、コンパニオン診断薬である「therascreen FGFR遺伝子変異・融合遺伝子検出キット RGQ」です。
診断キットの詳細
この診断キットは、尿路上皮がん患者の適応判定を補助するもので、リアルタイムPCR技術を使用して、6種類のFGFR3遺伝子変異や融合遺伝子を検出します。具体的には、一塩基変異のR248C、S249C、G370C、Y373C、そして遺伝子融合のFGFR3-TACC3v1、FGFR3-TACC3v3が含まれます。今後、これにより医師が迅速に患者の診断を行うことができ、適切な治療選択が促進されるでしょう。
まとめ
キアゲンの新たなコンパニオン診断薬の保険適用は、がん治療の現場に新しい風を吹き込むことが期待されます。尿路上皮がん患者にとって、治療の選択肢が広がることで、今後の生活の質向上が期待されることは間違いありません。がん治療は日々進化しており、こうした取り組みは、より良い未来を築くための重要なステップとなるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社キアゲン
- 住所
- 東京語中央区勝どき3-13-1Forefront Tower2
- 電話番号
-
03-6890-7300