災害リスク評価の進化
2025-12-25 12:52:20

再生可能エネルギー施設向け災害リスク評価が進化へ

再生可能エネルギー施設向けの災害リスク評価が刷新



東京海上ディーアール株式会社(以下、TdR)は2023年、再生可能エネルギー施設に特化した自然災害リスクグレーディング評価をさらに進化させました。この更新により、評価項目に新たに「降雹」が加わり、これまでの10種類の自然災害に11種類目が追加されました。評価は5段階で行われ、発電事業者や投資家は災害リスクをより効果的に把握できるようになります。

背景



TdRは2010年代から再生可能エネルギーの開発が進む中、太陽光発電を含む多様なエネルギー施設に対する自然災害リスクの評価を推進してきました。このリスクグレーディング評価は、様々な自然災害のリスクを包括的に理解するために、発電事業者や機関投資家にとって価値のある基礎データとなっています。近年、特に雹災による被害が顕著化していることから、雹のリスクに関する認識の高まりが見られます。

太陽光パネルはガラス製であるため、雹による破損が大きな課題となります。これを受けて、TdRは2024年4月より雹災の最大損失評価サービスの提供も始まる予定です。このように、エネルギー施設が直面する自然災害リスクをより的確に把握できるよう、今回の評価項目の追加は必然的なものでした。

改定の具体的内容



「降雹」グレーディング評価の追加



自然災害リスクグレーディング評価に新たに「降雹」が加わることで、11種類のリスクを5段階で評価する道が開かれました。この評価に利用されるデータは、東京海上グループが開発したGlobal Hail Modelによるもので、最大粒径データベースに基づいています。これにより、雹に関するリスクをより包括的に把握できるようになります。

グレーディング評価基準の見直し



過去のリスク評価業務を通じて蓄積された知見を元に、既存の評価基準を見直しました。この見直しにより、太陽光発電所や系統用蓄電所、陸上風力発電所など、各々のエネルギー施設の特性により適した評価が実現されます。施設種別に応じた、より精細なリスク評価を提供し、円滑なリスク管理を支援することが期待されます。

まとめ



今回の改定により、再生可能エネルギー事業者や機関投資家は、より正確かつ包括的に自然災害リスクを把握できるようになります。これによりビジネスの持続性や健全性の確保に寄与し、より強固なエネルギーインフラの構築に向けた一歩となるでしょう。

資源が枯渇する中、持続可能なエネルギーの利活用が求められる現代において、自然災害リスクの把握と管理は今後ますます重要性を増すことでしょう。


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会社情報

会社名
東京海上ディーアール株式会社
住所
東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー23F
電話番号

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