サントリーと愛知犬山が進める森林整備活動
サントリーホールディングスは、愛知県犬山市と連携し、「サントリー 天然水の森 あいち犬山」に関する森林整備の協定を締結しました。これは8月2日に行われたもので、この取り組みは水源涵養や生物多様性の向上を目的としています。
協定の背景と意義
犬山市の北東部に位置する市有林を対象とし、これは清涼飲料水を製造する木曽川工場の水源涵養エリアにあたります。この協定により、「サントリー 天然水の森」は全国の16都府県にわたる26カ所に拡がり、愛知県での協定締結は東京大学犬山研究林プロジェクトに続いて2つ目となります。
20年間の活動とその結果
サントリーは、昨年、活動開始から20周年を迎えました。すべての森林で植生や地質の詳細な調査を行い、長期の活動計画を策定。水文学や鳥類の専門家など40名以上のエキスパートと協力し、間伐作業や獣害対策を進めています。これにより、豊かな土壌が形成され、雨水が浸透しやすくなるため、良質な地下水の育成が促進されるのです。
現在、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上を水系に提供する「ウォーター・ポジティブ」な取り組みは、生物多様性の回復や減少傾向の食い止めに寄与しています。これまでにも、猛禽類の営巣や絶滅危惧種が生息する様子が観察されています。さらに、環境省が進める「自然共生サイト」においては、サントリーが単一企業として最も多くの認定を受けています。
水のサステナビリティの重要性
サントリーグループは、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、生命の輝きをめざす」という理念の下、持続可能な社会の実現を目指してきました。水の健全な循環は、生命を支える重要な資源です。そのため、グループ環境基本方針にも「水のサステナビリティの実現」を最優先課題として掲げています。これに則り、自然環境の保護・再生活動にも積極的に取り組んでいます。
今後の展望
サントリーは、「水のサステナビリティ」を基盤とした取組を今後も強化し、自然環境の保護・再生に繋がる活動を継続していく方針です。グループ全体で、持続可能な社会の実現に向けた遠大な措置を推進していくことで、自社の事業活動が持つ影響を最大限に活用し、地域社会や生態系と調和した水資源の利用を目指します。
活動内容と地域との関わり
「サントリー 天然水の森 あいち犬山」の森林整備には、広葉樹の植栽や除伐、作業道の開設、さらには生物多様性に関する調査・学術研究が含まれており、これにより地域の人々が参加できる森林整備体験研修なども行われています。将来的には森林レクリエーションの場としても活用されることが期待されており、地域社会への貢献が高まることが予想されます。
以上のように、サントリーが犬山市と連携して進める森林整備事業は、地域の生物多様性向上のみならず、持続可能な水資源を守るための重要なステップといえるでしょう。