新規事業創出プログラムからスタートアップ誕生
富士通が展開する「Fujitsu Innovation Circuit」(FIC)から、初の出向起業スタートアップが誕生しました。このプログラムは、企業内の人材が新規事業に挑戦できる環境を提供するもので、2024年11月には、出向起業・スピンアウト起業向けの資金調達も実施されました。
今回調達した資金は、製品やサービスの開発、そして市場フィットの検証に活用される予定です。特に焦点を当てられているのは、海洋環境問題の解決です。富士通は、海洋デジタルツイン技術を利用し、株式会社BLUABLEと連携して、この課題に立ち向かいます。
BLUABLEの取り組み
BLUABLEは、兵庫県宝塚市を拠点に、カーボンニュートラルを実現するための様々な事業に取り組んでいます。特に、海藻が着生しやすい基質を使用した藻場造成キットを提供しており、これにより短期間で低コストな藻場復元が可能です。藻場はブルーカーボン創出の基盤であり、地球温暖化の進行により失われた藻場の復活は急務です。
さらに、BLUABLEは造成した藻場から生まれるブルーカーボンの測定や「Jブルークレジット」の申請もサポートしています。このように業界全体の持続可能性を推進する一環として、全国各地で実証実験を行っています。
Fujitsu Innovation Circuitとは?
FICは、富士通グループ全社員を対象にした新規事業創出プログラムです。特にアントレプレナーシップの育成を目的として、2021年11月から開始され、現在では2,500名以上の社員が参加しています。FICには2つの主要プログラムがあり、ビジネス提案や新規事業の創出、起業家的思考を育成するための活動が行われています。
SDGsとの連携
富士通は、2020年に国連が提唱した持続可能な開発目標(SDGs)への貢献も強調しています。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスのもと、環境や社会問題の解決に向けた取り組みを進めています。特に、海洋環境の保護やカーボンニュートラルへの貢献は、重要なテーマに位置づけられています。
今後の展望
富士通は、今後もFICを通じて、社会課題の解決に貢献する企業や人材を生み出していく計画です。出向起業スピンアウトキャピタルに寄せられた期待に応えつつ、持続可能な社会の実現を目指します。
最新の技術や革新的なビジネスモデルが、今後の海洋環境の改善に寄与することを期待しています。