JLL、日本のホテル取引額が1兆円を突破
2024年8月29日、シンガポールからJLL(Jones Lang LaSalle)が発表したニュースによると、同社が2000年以降に支援した日本におけるホテル取引の総額が1兆円(約68億米ドル)に達しました。この数字は、日本のホテル業界における重要なマイルストーンであり、今後の見通しにも注目が集まります。
取引の背景と重要性
今回JLLが達成した1兆円という取引額は、日本国内の観光業が復調し、さらなる成長が見込まれる中での成果です。特に、浅草エリアに位置する「スマイルホテル浅草」の売却支援がこの記録を生み出したことが注目されます。このホテルは、96室を備えており、訪日観光客から高い人気を誇っています。日本政府観光局(JNTO)のデータを見ても、浅草などの観光地ではインバウンド需要が高まっており、2024年の初めの5か月間で1460万人の訪日客があったことが記されています。
日本のホテルセクターの魅力
JLLのホテル&ホスピタリティグループ エグゼクティブ ヴァイス プレジデント、チャーリー・マックルダウィ氏は、日本のホテル市場について非常に魅力的な状況にあると語ります。それは、日本銀行による利上げにもかかわらず、他国と比べても優れたキャッシュ・オン・キャッシュ利回りを提供しているからです。また、建設費用の高騰により、新たなホテルの供給が極めて低調となっているため、需要と供給のバランスが良好で、今後の客室当たりの売上高(RevPAR)も安定すると予測されています。
2024年の見通し
日本国内におけるホテル投資は2024年の上半期だけで3,780億円(約25.8億米ドル)に達し、前年同期から64%の増加を記録しています。このような成長を背景に、JLLは2024年度通年のホテル投資額を6,000億円(約41億米ドル)と予測しており、これが同社の統計史上最高額となる見込みです。
特に、直近では「ヒルトン福岡シーホーク」の売却に関与するなど、大型取引が複数見られるため、市場の動向はますます活発さを増しそうです。JLLは、今後も日本市場での専門的なアドバイザリー体制を強化し、ホテル資産への長期的な投資を喚起していく考えを示しています。
結論
JLLが発表した日本のホテル取引の1兆円到達は、観光業の回復力や投資家からの強い関心を示す重要な指標です。今後の投資動向や市場の変化には注目が集まるでしょう。日本のホテルセクターの将来には期待が高まるばかりです。