「近居割ワイド」導入で新たな住まいの形を実現

近居割ワイドの導入背景と目的

近年、社会問題として浮上している少子高齢化や都市集中化に伴い、待機児童や介護業務の担い手不足といった問題が生じています。このような課題に対処する方法として、子育て世帯や高齢者世帯を支援する「近居割ワイド」が登場しました。これは、UR都市機構（独立行政法人都市再生機構）が提供する新しいサービスで、近親者同士が近くに住むことで助け合うことを促進する意図があります。

「近居割」の概要

「近居割」は、UR賃貸住宅に入居する世帯が、同じ住宅内や隣接する住宅に住む支援対象世帯（子育て世帯や高齢者世帯）と近くに住んでいる場合に、家賃を5年間5%割引する制度です。この制度は平成25年9月より開始され、全国約60万戸のUR賃貸住宅で利用されています。

そして、新たに平成27年9月から試験的に実施される「近居割ワイド」では、UR賃貸住宅以外の地域内の住宅についても割引の対象を拡大し、より多くの世帯がこの制度を活用できるようにします。

近居の重要性とメリット

「近居」というライフスタイルは、都市部ではまだあまり浸透していないものの、親子や祖父母と孫の関係を強化する新しい家族の形として注目されています。近居によって、以下のようなメリットがあります:

- 子育て世帯にとって: 子供が急な病気や怪我をしたときに、近くにいる祖父母から助けてもらえるため安心です。また、祖父母の存在は子供にとって良い経験となります。

- 高齢者世帯にとって: 子供が近くに住んでいることで、いざというときに心強さを感じますし、孫の成長を間近で見守れる楽しみも増えます。

このように、近居は双方にとって様々な利点をもたらします。確かに、近居は同居と比較すると緩やかなつながりではありますが、家族間の絆を深める重要な手段となり得ます。

支援対象者とエリア

「近居割ワイド」の対象となる世帯は以下の通りです:
1. 子育て世帯: 現に満20歳未満の子を扶養している世帯で、妊娠中の方も該当します。
2. 高齢者世帯: 満60歳以上の高齢者を含む世帯。
3. 障がい者世帯: 身体または知的障がい者を含む世帯。
4. 支援世帯: 上記の世帯を支える直系血族または扶養義務を負う親族。

この制度により、親世帯と子世帯が物理的にも近くに住むことが可能となり、家族間の連帯感を高める手助けとなります。具体的な対象エリアは全国10のエリアに広がります。