空き家問題が浮き彫りにした実家の管理と相続の現状

実家が空き家に…その後どうする？

近年、実家が空き家になってしまう可能性が高まる中、この問題に対する関心が高まっています。株式会社クランピーリアルエステートが実施した調査によれば、実家が空き家になる男女1000人を対象に行ったアンケート結果が挙げられます。この調査の中で、半数以上の回答者が実家の今後についてまだ決めていないことが明らかになりました。

調査結果の概要

調査によると、「実家が空き家になったらどうするか」を考えていないと答えた人は52.9%に達し、次いで「売却する」と答えた人は16％でした。この結果からも、空き家問題への危機感が薄れていることが伺えます。

「管理したくない」と感じる理由はいくつもあり、地域による差異も見られました。具体的には古く老朽化した家や、遠方に住んでいるために管理が難しいといった意見が多数寄せられました。また、売却を考える際は、不動産業者に依頼するケースが多いことが示されており、複数社に査定を依頼する傾向もありました。

更地にする背景

一方で、空き家を更地にすることを選択する理由として「売却しやすいため」との声が多く寄せられました。古い建物を持つ場合、買い手がつきづらくなるため、あらかじめ更地にしておくことが重要とされています。また、実家が借地に建っている場合、地主への返還が必要になることから、更地化が優先されることもあります。

賃貸を選ぶ声

賃貸として活用する選択肢も検討されており、「家賃収入を得たい」という意見が6割を超えています。実家の状態が良好であれば、賃貸にすることで長期的な利益を考慮する人が多いようです。

相続に関する意識

相続の選択肢についても調査が行われ、「相続したくない」と感じる人が53.2%にも達しました。相続の手続きやその後の管理の煩雑さ、そして相続税の負担が占める割合は非常に大きいです。これに対して、思い出や愛着が理由で相続したいと考える人も少なくはなく、実家に対する感情的な要素が色濃く反映されています。

空き家を放置することのリスク

空き家をそのまま放置する理由には「どうするかわからない」と「解体する費用がない」が同率で多く見受けられます。しかし、放置していることで生じる管理費用や固定資産税の負担は無視できません。「特定空き家」に認定されてしまうと、固定資産税が最大6倍になる可能性があることに87.3％の人が気づいていないという結果も浮き彫りにされました。

決断を迫られる時代

実家が空き家になった際の対応は、今後ますます重要な問題です。特に年々高まる相続税や固定資産税に対する支払いの負担を減らすためには、早期の決断が求められます。思い出や愛着があるかもしれませんが、そのまま放置することで逆に未来への選択肢を狭める可能性があることを認識すべきです。実家をどうするのか、早めに考えることが必要です。