AR防災アプリ登場
2012-05-07 07:00:01
次世代へ津波の記憶をつなぐ新たなAR防災アプリの登場
AR防災教育アプリ「AR津波カメラフィールドミュージアム」とは
津波の恐怖を忘れず、未来に生かすための新しい試みとして、株式会社ナブラ・ゼロが開発したiPhone向け防災教育アプリ『AR津波カメラフィールドミュージアム』が、App Storeにて公開されました。このアプリは、iPhoneに搭載されているGPS機能を活用し、東日本大震災で実際に発生した津波の浸水深を拡張現実(AR)技術によって視覚的に再現するものです。
アプリの機能と特長
アプリを使用すると、気仙沼市、陸前高田市、大船渡市の実際の地点で、設定された浸水深をARで確認することができます。これにより、過去の津波の高さを目の前で確認し、被災の歴史を肌で感じることができるのです。アプリ内には国土地理院が提供する浸水範囲概況図をもとに推定された浸水深が自動的に表示され、手軽に過去の災害を知ることが可能になります。
但し、この数値はあくまでも推定値であるため、実際の状況と異なる場合もあります。そこで、ユーザーが自身の記憶をもとに実測値を入力できる機能も提供されており、これによりより正確なデータが蓄積されていきます。この参加型のシステムは、今後の災害学習に大いに貢献することでしょう。
津波の記憶を未来へ
このアプリによって津波の浸水深がデータベースに蓄積され続けることで、将来的に被災地の復興が進んでも、かつての津波の高さを再現することができます。これはまさに“ミュージアム”のように、次世代に津波の記憶を伝えるための重要なツールとなります。
全国規模での活用を期待
ナブラ・ゼロはこの技術を、今後全国の津波や洪水、その他の自然災害に役立てたいと考えています。地域の防災教育への導入についても、様々な自治体と協議を開始しており、この技術がより多くの地域で活用されることを望んでいます。
利用範囲は現在、岩手県大船渡市、陸前高田市、宮城県気仙沼市に限定されていますが、将来的には全国的に展開されることが期待されています。今後の防災教育の新たな形として、ぜひ多くの人々にこのアプリを利用してもらうことが重要です。
最後に
津波の脅威を直接体感することができるこのアプリは、ただの学習ツールにとどまらず、地域の防災意識を高めるための大切な一歩となるでしょう。未来の世代へ津波の記憶をしっかりとつないでいくためにも、多くの方々の積極的な参加を期待しています。詳細な利用方法については、公式ウェブサイトや提供されているビデオを参照してください。
会社情報
- 会社名
-
株式会社ナブラ・ゼロ
- 住所
- 石川県河北郡内灘町大清台319
- 電話番号
-
050-3077-3513