ヤンマーの革新技術、熱電発電システム
ヤンマーホールディングス株式会社は、工場で排出される高温ガスを活用し、CO2フリーで電力を生成する「熱電発電システム」を開発しました。この技術は、環境に配慮したカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。
廃熱からの電力生成
この新しいシステムは、工場から発生する350℃以上の高温ガスから熱エネルギーを回収し、電力に変換します。利用される熱交換技術は、ヤンマー独自のサーモサイフォン式熱交換器で、熱電モジュールを均等かつ高密度に加熱します。これにより、高出力の電力を効率的に生成することが可能となりました。
特に大型工場においては、自家発電が求められる状況でこの技術は非常に魅力的です。単なる熱利用ではなく、より使い勝手が良い電力利用にシフトすることで、エネルギーの効率的な利用が期待できます。
持続可能な未来の実現に寄与
ヤンマーの熱電発電システムは、年間で約30トンのCO2を削減することが可能です。このように、環境負荷を大幅に低減することができる技術であり、産業界のニーズにも応える形になっています。
さらに、施工に関しても工夫が施されています。冷却水供給と電気配線工事が完了すれば、簡単に利用可能で、設置も非常に簡易です。これにより、導入のハードルが大きく下がるでしょう。また、連結可能な設計により、ニーズに合わせて柔軟に対応できる点も魅力です。
実機展示や今後の展望
ヤンマーは、「ENEX2025 第49回地球環境とエネルギーの調和展」において、今回の熱電発電システムの実機も展示します。この展示は2025年1月29日(水)から31日(金)まで東京ビッグサイトで行われる予定です。この機会に、最新の技術に触れる絶好のチャンスです。
ヤンマーの取り組み
創業111年を迎えるヤンマーは、エンジンなどパワートレインを軸にアグリ事業、建機、マリン、エネルギーシステムの分野でグローバルに展開してきました。彼らのミッションは、環境に優しい企業として社会に貢献することです。その理念を支える「HANASAKA」という価値観から、未来を育む持続可能な社会を目指して技術革新を進めています。
この技術が実用化されることで、さまざまな産業分野での廃熱利用が進むことが期待され、エネルギー効率の向上にも寄与するでしょう。今後の熱電発電システムの進展に注目です。