日本の里山問題解決へ「山のサブスク」が注目を集める理由
近年、放置された里山が原因で獣害が増加しており、地域の生活に悪影響を及ぼしています。特に、高齢化や過疎化が進む農村地域では、クマやイノシシ、シカなどの野生動物が頻繁に人里に現れるようになりました。この問題を解決するために、株式会社壱岐産業が開始した「オレの山」というサービスが注目を集めています。
獣害の背景と里山の重要性
放置された里山は、野生動物たちの生息場所が増える要因となっています。耕作が行われなくなった土地が増え、狩猟者の数も減少。これにより、野生動物と人間の居住地との境界があいまいになっています。さらに、放置された里山の景観が失われつつあることは、自然環境の悪化を招く要因ともなっています。美しい日本の里山を守るためには、里山の整備が急務です。
「オレの山」の取り組み
「オレの山」は、放置された里山を整備し年間レンタルスペースとして貸し出すサービスです。この取り組みは、失われつつある景観を取り戻し、自然環境への関心を高めることを目指しています。2023年4月からレンタルスペースの提供を開始し、現在全区画が埋まりつつある状況です。
活動のスタートと運営の特徴
壱岐産業の代表取締役である長谷川嘉宏氏は、2020年に自ら山を購入し、一人での活動をスタートしました。手探りでの作業を重ね、下草刈りや間伐作業、区画の整備を行いながら、自然の魅力に触れています。これらの作業は、単なる環境保護にとどまらず、地域の子供たちに自然と触れ合う機会を創出することにもつながっています。
さまざまな楽しみ方
「オレの山」では、利用者がそれぞれのスタイルで楽しめる場を提供しています。一人で静かな時間を過ごしたり、家族や仲間と共にアウトドア活動を楽しむことができます。実際の体験としては、木々の芽吹きや山菜採り、秋には栗拾いやシイタケの収穫など、四季を通じてさまざまな楽しみがあります。
利用者からは、「休日は息子と過ごしています。大切な時間を持てて感謝しています。」や、「仲間と共同で利用してBBQを楽しんでいます。健康的でコスパも良いです。」という声も寄せられています。
今後の展望と体験イベント
長谷川氏は、アーバンベアの問題に対しても関心を持っており、このサービスを通じて野生動物との共存を目指しています。8月4日には「オレの山」の体験イベントが予定されており、参加者はさまざまな作業を体験しながら自然の魅力を堪能することができます。
体験イベント情報
- - 開催日時: 2024年8月4日(日) 9:00~15:00
- - 開催場所: オレの山・一迫
- - 内容: 杉の皮むき間伐体験、チェンソー・下草刈り機体験会、BBQランチ、火起こし体験、薪割り体験など
- - 参加費: 2,500円(飲み物、食事、体験料込)
このように、「オレの山」はただの里山整備にとどまらず、地域社会と自然環境をつなぐ新たなスタイルのアウトドア体験を提供しています。自然を楽しみながら、里山の保全にも貢献できるこのサービスは、今後さらに注目されることでしょう。