読字困難者に寄り添うアプリ「MYdys」が日本に上陸、教育現場にも広がる

読字困難者に寄り添う「MYdys」が日本正式リリース

フランス発のインパクトスタートアップ、ファシリティジャポン株式会社が、読字困難を抱える方々のために開発されたアプリ「MYdys」を日本市場で正式に公開しました。このアプリは、既にフランスやアメリカで10万ダウンロードを記録しており、その評価の高さが伺えます。特に、CES Innovation Award 2023を受賞したことが、国際的な注目を集めています。

「MYdys」の革新的なアプローチ

「MYdys」は、従来の音声読み上げ機能に加え、ユーザーが自分に合った文字の表示を調整できるという新たなソリューションを提供します。この機能により、ユーザーは単に文字を「聞く」だけでなく、「読む」行為自体がサポートされるのです。この特徴により、教育現場や日常生活において、より効果的な学びや情報のアクセスが実現できるのです。

さらに、特筆すべきは「じぶんフォントプロジェクト」との連携です。このプロジェクトにより、文字の読み書きに困難がある方々でも読みやすいフォントが実装されています。これにより、特にディスレクシアを持つ人々に対しても配慮がなされています。実際、アプリの開発にあたっては、多くの試行が行われ、実用性の高さが確認されています。

日本での評価と実証実験

「MYdys」のリリース前には、川崎市が主催する「かわさき起業家オーディション」で、主催者賞と関係団体賞の6つを受賞しました。この受賞を機に、川崎市にある開発支援拠点「ウェルテック」との協力が進み、実際に川崎市内の小中学校で実証実験が行われています。今後は、川崎市の認証制度である「かわさき基準」への申請と認証取得を目指す予定です。

主な機能

アプリ「MYdys」は、以下の機能を搭載しています。

1. 文字の読み取り：本やプリント、看板などの文字を撮影または写真ファイルを読み込むことで自動認識。
2. 文字表示のカスタマイズ：フォントの種類やサイズ、行間・文字間隔を自由に設定可能。
3. 色・コントラスト調整：背景色や文字色を変更でき、コントラストを改善。
4. 認識サポート：形が似ている文字（例：b/d、6/9など）を色分け・ハイライト表示。
5. 読み上げ機能：認識した文字を音声で読み上げ。
6. 翻訳機能：70以上の言語に即時翻訳可能。

価格プランについて

「MYdys」は、フリーミアムモデルを採用しています。以下の3つのプランから選択可能です。

- 無料版：50クレジットまで利用可能。
- ディスカバリープラン：月額660円（税込）
- プレミアムプラン：月額1,100円（税込）

学校や法人向けにはライセンス契約による導入も可能となっており、教育現場での活用が期待されています。

今後の展望

ファシリティジャポンは、「MYdys」を通じて、教育、出版、行政、企業などさまざまな分野での活用を見込んでいます。誰もが平等に学ぶことができるインクルーシブなデジタル社会の実現に向けて、さらなる展開を進める予定です。私たちがどのように学び、働き、情報にアクセスするかを変える「MYdys」の今後に大いに期待が寄せられています。

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