グランピングと年収帯の関係に迫る
最近、全国510人を対象にした調査が実施され、年収とグランピングにかける予算の関連性について興味深い結果が明らかになりました。調査を行ったのは、グランピング業界での先駆者株式会社Dot Homesで、結果は高所得層の消費行動に新たな視点を提供しています。
高所得層はコスパ重視
調査結果によると、年収1000万円以上の高所得層は、意外にも中価格帯(15,000円〜19,999円)を選ぶ傾向が強く、なんと42.4%がこの価格帯を選択しました。これまでの常識では、高所得層は高額なものを選ぶとされていましたが、現実は異なっていました。最高額(20,000円以上)を選ぶのは21.2%にとどまり、「高額消費」の図式が通用しなくなっています。
この傾向は年収が1500万円以上になると、さらに顕著です。なんと60%の世帯が中価格帯を選択し、2000万円以上でも約50%が同じ価格帯を選んでいるのです。これは高所得層が単に「お金があるから高いものを購入する」のではなく、むしろ「適正価格」を重視していることを示しています。特に、贅を求めるのではなく、価値を重視していると考えられます。
中所得層の新たな消費行動
興味深い点は、中所得層(年収400〜600万円)の「価格重視」が目立つ点です。32.4%の人々が価格を最重要視しており、今まで「価格重視は低所得層に多い」とされてきた常識がひっくり返る結果となりました。中所得層は、可処分所得が一定程度ありつつも、価格には敏感です。「良いものを手頃な価格で」という願望から、積極的に価格比較を行っている様子がうかがえます。
体験の重要性
調査では、年収とグランピング経験に明確な相関関係が見つかりました。高所得層のグランピング経験率は75.6%に上る一方で、低所得層は45.5%と30ポイント以上の差があります。経験豊富な高所得層は、価格に対する感度が鈍く、過剰な支出を避ける傾向があります。
年収別施設選択の重視ポイント
グランピング施設を選ぶ際の重視ポイントにおいても、年収別の明確な違いが見えてきました。高所得層は「施設の清潔さ・快適さ」を最も重視し、約48.5%の人々がこれを優先しています。このことから、価格よりも体験や品質、時間の無駄を避けることが重要視されていることがわかります。対して中所得層は、価格と品質のバランスを重視。低所得層は依然として価格を第一に選ぶ傾向がありますが、清潔さや快適さも求めている点が興味深いです。
終わりに
これらの調査結果は、グランピング市場の成熟化と消費者の目利き力が向上していることを示す重要な指標と言えるでしょう。特に高所得層のコストパフォーマンスへの意識の高まりは、今後の消費行動にも影響を与えることが予想されます。今後、さまざまな価格帯やサービスが市場に登場することで、消費者の選択肢はさらに広がることでしょう。
調査概要
調査期間:2025年5月1日
調査機関(調査主体):RASA JAPAN Inc.
調査対象:日本在住者
有効回答数(サンプル数):510
調査方法:インターネット調査
株式会社Dot Homesは、リゾートホテルやグランピング施設の開業支援や運営受託・コンサルティングを行っており、今後も目が離せません。