この秋、白川村では「白川郷 観光&マナーブック」が配布されます。このパンフレットは、観光客が白川郷の文化や生活に配慮しながら訪れるためのマナーを紹介したもので、特に観光マナーの遵守が求められる昨今の状況に対して大きな意義を持つ内容となっています。
「白川郷 観光&マナーブック」は、自らの行動が地方の生活にどのような影響を及ぼすかを考える「レスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)」の重要性を伝えています。このパンフレットでは、「駐車場利用のお願い」「火気厳禁」「ゴミの持ち帰り」「観光受入時間の厳守(8~17時)」「ドローン禁止」といった5つの観光マナーを具体的に紹介しており、注意を促すのではなく、積極的な行動をお願いする形で表現されています。
特に注目すべきは、子どもたちの登校風景を採用し、訪れる人々が「白川郷」がいかに住民の生活の場であるかを知るきっかけを作っている点です。これにより、訪問者が自然と地域の生活への理解を深めることが期待されます。
また、パンフレットには新しく設けられる混雑情報サイト「Shirakawa-going」のQRコードが掲載されています。このサイトは今秋に公開される予定で、交通渋滞を避けながら快適に観光を楽しむための情報を提供することを目指しています。訪れる人々がストレスの少ない旅行を実現できるような配慮がなされています。
白川村は、世界遺産であるその自然環境を守りつつ、観光と住民の生活が共存する調和の取れた地域づくりを進めています。特に、過去数年の観光ブームによって、観光マナーの課題が浮き彫りになっています。このような背景を踏まえ、白川村では「旅行者と観光地が良い関係を築く」をスローガンに、適切なマナーの重要性を訴えています。
昨年には専用のウェブサイトを開設し、レスポンシブル・ツーリズムに関する情報を提供しています。この取り組みは、ハワイなどに見られる成功事例を参考にしており、観光客に村の文化や自然の美しさを理解してもらうことを目指しています。「白川郷」という素晴らしい資源を守りつつ、地域がより良くなるための観光客との関係構築が進められています。
この「白川郷 観光&マナーブック」は、全国的に見ても珍しい観光マナーの啓発を目的とした取り組みです。パンフレットは日本語版と英語版の2言語で各10,000部、合計20,000部が発行され、白川村ブースでの配布をはじめ、白川郷バスターミナルや村役場などでも入手可能です。
今後も白川村は、より多くの方に素晴らしい体験を提供するとともに、訪れる人々が責任ある行動を取ることによってより良い観光地を築くことを目指しています。美しい村の魅力を守りながら、思い出に残る観光体験を共有するための第一歩が、今ここに始まります。