2024年9月12日に発表されたヘイズの最新レポートによれば、日本は特定の業界において世界トップクラスの人材ネットワークとして評価されています。特に、ITとライフサイエンスの2つの分野でのランクインは、日本がこれらの市場において持つ強みを示しています。
このレポートは、ITやエンジニアリング、銀行・金融・保険(BFSI)、製造業、ライフサイエンスなどの業界を含む、30を超える市場を調査した結果をまとめたものです。具体的には、2024年5月に収集されたソーシャルメディアのプロファイルや求人広告など、各種のデータを統合し、重複を取り除いた1,000万人以上の人材の情報を元に制作されています。
各国の人材ネットワークは、役職に就くことができる人材数や、職業における経験年数といった重要な指標に基づき評価されています。この中で、日本は製造業では世界で5位、ライフサイエンスでは4位にランクインしており、これらの分野における人材供給の豊富さが評価されています。
ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターであるグラント・トレンズは、日本が製造業において強みを持つ理由に触れています。それは、インダストリー4.0の産業政策が進められているためです。製造業は今後の開発の焦点として評価されており、適切な人材を活用するためにニアショアリング(近距離のシェアリング)を検討する必要があるとしています。
また、ライフサイエンス分野では、日本が提供できる人材の数は非常に多く、1つのポジションに対して約150人の候補者が存在するというデータもあります。このことから、日本はライフサイエンスの専門家が確立された評価をもつ市場として国際的に認知されています。トレンズは、グローバルに人材を求める企業に対し、従業員が仕事の意義を感じられるようにするための従業員価値提案(EVP)の見直しも必要だと提言しています。
今回のレポートは、人材不足がますます深刻になっている今の時代において、企業が最適な人材を確保するための戦略を見直すきっかけでもあります。経済の不安定やデジタル化、そして高齢化などのグローバルメガトレンドは、企業が新たな人材戦略を必要としていることを鮮明に示しています。
さらに、ヘイズはグローバルに人材サービスを提供するスペシャリストとして、今後も引き続き各領域での人材ニーズに応え、企業と求職者を結ぶ架け橋の役割を果たしていくことを約束しています。こうした情報は、企業や求職者にとって貴重な示唆を与えるものであり、日本における人材環境をより良く理解するための重要な資料となっています。