教育の充実を求める動き
2025年6月24日、株式会社Classroom Adventureがあべ俊子文部科学大臣に対し、インターネット環境の安全性を高めるための教育充実を目指して陳情書を提出しました。この陳情は、近年深刻化する「闇バイト」問題に対処するための重要な一歩です。
闇バイト問題の深刻化
SNSを通じて拡がる「闇バイト」は、多くの若者を重大な犯罪に巻き込んでいます。警察庁によれば、闇バイトに関連する逮捕者の約70%が10代や20代です。また、2024年に特殊詐欺での検挙者のうち、ほんの4割が闇バイトに起因する事件とされています。このような状況は、若者の情報リテラシーの欠如にも起因しています。
ディップ株式会社の調査によると、高校生の約80%がネット上の危険な求人を見分けられないとのこと。また、株式会社ペンマークの調査では大学生の約40%が闇バイトへの勧誘を経験しているという結果が出ました。「高額報酬」「簡単な仕事」という言葉に惹かれ、個人情報を漏らした後に脅迫されて犯罪に関与するという事例が後を絶ちません。
教育体制の必要性
闇バイトの問題は、情報リテラシーの不足や金融知識の不足、さらには子どもの貧困問題など、様々な社会的要因が絡んでいます。個人の努力だけでは限界があるため、学校や家族、地域が協力して若者を見守る体制を整える必要があります。
現在の学校教育では情報モラルに関する教育が行われていますが、巧妙化する犯罪やデジタルネイティブ世代のSNS利用には十分に対応できていないのが現状です。若者が被害者または加害者にならないためにも、効果的な教育の実施が急務です。今回の陳情では、特に中学校・高等学校において「闇バイト」を含むインターネット犯罪の対策を体系的に学べる機会を確保することが求められています。
教育手法の革新
伝統的な啓蒙教育に加え、疑似体験やロールプレイ、ケーススタディといった新しい学習手法の導入も必要です。生徒が主体的に学び、実際の状況に即した形で知識を身につけることを促す取り組みが強く求められています。
さらに、孤独や経済的困窮により闇バイトに狙われやすい生徒を早期に発見し、支援するための体制の充実も必要です。スクールカウンセラーの増員や、警察相談専用電話「#9110」などの相談窓口の広報も重要な課題です。
地域連携の重要性
学校だけでなく、PTAや地域の青少年育成団体とも連携した啓発活動や支援ネットワークの構築も重要です。地域全体で若者を見守る体制をつくることが、より健全な社会の実現に繋がります。
Classroom Adventureの取り組み
株式会社Classroom Adventureでは、闇バイトの危険を疑似体験できる教育ゲーム「レイの失踪」を開発し、全国約60の教育機関でプログラムを実施しています。これにより、若者がインターネット犯罪の危険を学べる環境を提供しています。
今後もClassroom Adventureは、教育機関、自治体、警察との連携を深め、若者が犯罪の被害者にも加害者にもならない、安全で安心な社会作りに寄与するために努力していきます。若者の未来を守るため、教育充実策の実現に向けた取り組みを続けていきます。
企業情報
株式会社Classroom Adventureは、慶應義塾大学の現役学生が設立したEdtechスタートアップです。情報リテラシープログラム「レイのブログ」は世界10カ国で20,000人以上が体験しており、全国の教育機関に導入されています。2024年からは、米Google社と共にファクトチェックの大会「Youth Verification Challenge」を主催し、ゲーミフィケーションを通じた教育を提供しています。また、2024年には東京都主催のスタートアップコンテストで最優秀賞を受賞するなど、多方面で評価されています。