経営のダイバーシティを目指して
企業経営におけるダイバーシティの重要性が高まる中、一般社団法人「社外取締役女性ラボ」が2022年4月に設立されました。この団体は、女性の社外取締役登用を推進し、企業価値の向上とイノベーションを促進することを目指しています。
設立背景
近年、日本においても女性のビジネスシーンへの進出が進んでおり、上場企業における女性役員数は2012年の630人から、2020年には2528人と、約4倍に増えています。しかし、女性役員の割合は6.2%にとどまっています。この数値は、諸外国と比較すると依然として低い水準と言わざるを得ません。
また、持続可能な開発目標(SDGs)や環境・社会・ガバナンス(ESG)への関心も高まっている中、東京証券取引所はコーポレート・ガバナンスコードを改訂しました。このような背景から、政府や経団連は2030年までに女性管理職比率を30%以上に引き上げることを目指す動きが強まっています。結果として、現役世代の女性を社外取締役として活用する企業が増えつつあります。
「社外取締役女性ラボ」の設立は、こうしたニーズを受けて、女性社外取締役が企業において最大限の価値を発揮するためのコミュニティを構築することを目的としています。
活動内容
この団体では、次のような活動を通じて女性社外取締役の支援を行っています。
1. 社外取締役女性コミュニティの運営
社外取締役として必要な知識や経験を共有するため、会社の枠を超えたクローズドなネットワークを構築し、取締役会運営に関するベストプラクティスを交換する機会を提供します。参加希望者はメール(
[email protected])でお問い合わせできます。
2. ナレッジの外部発信
ナレッジや成功事例を体系化し、オープンイベントを開催するとともに、メディア取材や他のイベントでの講演を通じて、女性社外取締役ならではの有益な情報を発信します。
3. パブリックアフェアーズ活動
政府や経済団体、政治団体との意見交換を通じて、取締役会における多様性の推進を啓蒙し、支援を行っています。
理事メンバー
この団体の理事は、多様な経歴を持つ女性たちで構成されています。
- - 椿 奈緒子:メンタリング株式会社の代表取締役で、サイバーエージェントなどでの経歴を持つ。ただいま、会社内の新規事業開発を支援する。
- - 大塚 泰子:日本IBMで戦略コンサルティングに従事。幅広い業界の経営計画策定に携わる。
- - 齊藤 三希子:エスエムオー株式会社の代表取締役。ブランディングの専門家として、パーパス・ドリブンな活動を行う。
- - 古市 優子:Comexposium Japan株式会社の社長として、日本のマーケティングイベントの運営を行う。D&Iの推進にも力を入れている。
設立記念イベント
「社外取締役女性ラボ」の設立を記念し、取締役会のダイバーシティ向上を検討する企業関係者向けにイベントが開催されます。このイベントでは、さまざまな専門家による講演やパネルディスカッションが行われ、参加者は現状の課題を共有し、具体的なアクションに結びつける機会を得られます。
結論
「社外取締役女性ラボ」は、日本のビジネス界における女性の活躍を後押しする重要な団体として、その活動が注目されています。企業が多様な人材を活かすことで、より健全で創造的な経営が実現されることが期待されています。