インド・ビハール州農村部の月経衛生実態調査
インド本土の中でも特に月経衛生に問題を抱えるビハール州の農村部において、NPO法人「結び手」は、村の女性たちとの共同作業により最新の調査結果を発表しました。この調査は、女性が直面する月経に関する現実やニーズを可視化し、持続可能で尊厳のある選択肢を提案することを目的としています。
調査背景
ビハールは、価格や入手難、教育といった複合的な要因によって月経衛生が厳しい地域です。衛生的な製品の確保が難しく、これが女性の教育や就業に悪影響を及ぼしています。本調査により、衛生的な生活の実現に向けた具体的なニーズが明らかにされました。
主な調査結果
調査には、主に20歳から40歳の女性33名が参加しました。以下に主な結果をまとめます。
- - 月経用品の利用状況:使用者の約39.39%が布や紙などの代用品を使っているのに対し、60.61%が使い捨てナプキンを使用。
- - 入手難易度:「難しい」と感じる人は69.70%に達し、その理由は主に価格が56.52%、距離が17.39%、在庫が8.70%でした。
- - 学校や職場での欠席:39.39%の女性が月経による欠席を経験。
- - 再利用可能製品への支持:全体で36%が賛同し、特に入手が難しい層では48%、自宅から5km以内の購入場所の人は42%が再利用可能製品の選択を支持。
- - 廃棄行動:使い捨てナプキン利用者の50%は屋外での投棄を行い、残りの50%はごみ収集車を利用。これは処理インフラの未整備を示しています。
インパクトと提案
調査結果から、価格、距離、教育の三つの要因が、月経衛生管理の課題を引き起こしていることがわかりました。再利用可能な生理用品は、これらの課題を軽減する可能性を秘めています。しかし、その実現には、水や石鹸、プライバシーの確保、そして正しい使用法を教えることが不可欠です。
代表者のコメント
「調査から,女性たちが“衛生的な生活と可処分時間・所得の向上”を強く求めていることが見えてきました。」と、NPO法人結び手の代表理事である福岡洸太郎氏は語ります。彼はさらなる教育と環境整備の必要性を強調し、衛生的な生活を都市と同様に農村部でも当たり前にするための活動を進めていく意向を示しました。
今後の取り組み
NPO法人結び手は、以下のような取り組みを計画しています。
- - 価格補助と流通:村内拠点や訪問販売員の整備を進め、適正価格で製品を提供。
- - 衛生教育:地域や学校で清潔な製品の洗浄・乾燥方法の指導を行います。
- - 環境整備:個室トイレや洗面、乾燥スペースの設置を進め、女性が安心して利用できる環境を整備します。
- - 共創:自治体や教育機関、企業とのさらなる連携を強化。
調査概要
実施地はインド・ビハール州で、農村部の女性33名を対象に行いました。調査は2025年8月に実施され、質問票による面接の形式で行われました。
この調査結果を通じて、ビハール州の女性たちが直面している問題を解決し、遂行をするための持続的な取り組みが、今後の課題となります。高い価値のある改良が、社会の全体へ広がることを期待します。