EC事業者700名が語る物流代行の現実
EC事業が成長し続ける中、物流業務の外部委託が当たり前になりつつあります。しかし、すべての企業が成功しているわけではありません。ディーエムソリューションズ株式会社が実施した実態調査によると、700人のEC事業者が直面した「物流代行」に関する失敗経験や成功例についてのデータが明らかになりました。
EC事業者の物流代行実態
a.
委託するビジネスの現状
調査によれば、62.5%のEC事業者が物流業務を外部に委託していることが確認されました。その内訳は、「すべての物流業務を委託」が21.9%、一部が40.6%です。特に売上が好調な成長企業では、60%が物流業務を全て委託しています。このことから、成長には物流業務の合理化が重要であることがわかります。
b.
外部委託を検討するタイミング
委託の検討を行う出荷件数として、月100件前後が一つの目安です。多くの業者はこの辺りで物流代行への相談を始めているようです。
失敗事例とその原因
調査において最も多くのEC事業者が挙げた「失敗した経験」は、以下の通りです。
1.
出荷波動への対応力(36.2%)
出荷件数が急激に変化する場合、物流委託先のオペレーションや人員配置に課題が出やすいです。特にイベントやセールに影響されやすい商品が多いため、出荷の波を捉えられない物流業者と提携すると致命的です。
2.
倉庫環境が良くない(44.3%)
保管環境が悪かったことで、商品に直接影響を及ぼしたと Replyする声が多く聞かれました。倉庫の品質すなわち保管管理は、EC事業者にとって極めて重要なポイントです。
3.
担当者のレスポンスや対応が悪い(42.6%)
日常的なコミュニケーションの質も大切です。物流業務は繊細な運用が求められるため、担当者との信頼関係がなければスムーズな運営は難しいと言えるでしょう。
成功のためのポイント
EC事業者は、物流業務の外部委託を行う際に以下の点を確認することを推奨します。
物流代行の選定時には、波動に対する具体的な事例や過去の業績を確認すること。
直接現地訪問したり、レビューを参照することで、倉庫の環境や担当者の対応をしっかりと見極めておくことが必要です。
今回の調査から、EC事業者としての成功はただの外部委託ではなく、その運用の質や準備によって大きく左右されることが分かります。自社の物流業務が厳しくなった際、適切なパートナーを見つけるためにも、調査を通じた情報収集が欠かせません。
まとめ
EC業界が拡大する中、適切な物流代行パートナーとの連携が成長のカギとなります。失敗から学んだEC事業者の意見を参考にしながら、各自のビジネスモデルに合った選定を行い、未来の成長に繋げたい所です。