コンゴ民主共和国ゴマの現状
コンゴ民主共和国の北キブ州に位置するゴマが、最近の戦闘により深刻な状況に見舞われています。コンゴ軍と反政府武装勢力である「3月23日運動(M23)」の激しい衝突が続く中、治療を必要とする負傷者が急増しています。
キシェロ病院は負傷者の受け入れに対応していますが、国境なき医師団(MSF)は、戦闘の激化や物資の略奪によって医療活動の継続が厳しくなっていると報告しています。MSFは新たなチームを現地に dispatch する計画を進めており、全ての紛争当事者に対して人道的なアクセスを確保するよう求めています。
銃撃と物資不足
MSFの緊急対応コーディネーターであるビルジーニエ・ナポリターノ氏は、キシェロ病院内での手術中に銃弾が貫通する危険な状況を述べています。治療に必要な物資や医薬品が略奪され、医療活動は困難を極めています。このような環境の中で、医療従事者たちは生命の危険にさらされ、治療を受ける患者の命が脅かされています。
キシェロ病院は、戦闘が始まった23日から142人の負傷者を治療しており、その中には半数以上の民間人が含まれていました。特に女性や子供に対する負傷が多く見られ、住民の安全が引き続き脅かされています。さらに、断水や停電が続き、住民の生活はますます厳しくなっています。医療従事者たちは、MSFの患者やその家族に食事を提供することも困難になりつつあります。
難民と避難民の増加
MSFはゴマとその郊外に位置する国内避難民キャンプでの活動も行っていますが、治安の悪化によりチーム数を一時的に減少させなければならない状況にあります。この数週間で新たな数万人の避難民がキャンプに加わっており、もはや避難先を失った人々が増えています。北キブ州では、65万人以上の人々が2年以上過ごしており、戦闘はキャンプ周辺にも影響を及ぼしています。
MSFの活動責任者であるステファン・ゲートゲブア氏は、今週、搬送先がなくなったために2人の子供が命を落とした事例を指摘し、状況を深刻に受け止めるよう訴えています。この戦闘は無辜の市民に対して非常に大きな影響を及ぼしており、ますます多くの人々が医療支援を必要としています。
緊急医療の拡充の必要性
MSFは今回の略奪行為を受けて、再度ゴマにチームを派遣し、医療支援を拡充する準備を進めています。しかし、物資の供給を補充するためには、コンゴとルワンダの国境を通過する必要があります。その実現のためには、地元当局との調整が欠かせません。
MSFは依然として北キブ州と南キブ州で活動を続けており、紛争の当事者に対して民間人の保護を強く求めています。また、国際人道法を遵守し、市民に不可欠な医療援助を提供できるよう人道的アクセスの保証を訴えています。国際社会の関心が高まる中、MEDICINS SANS FRONTIERESの活動がますます重要になっています。