アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ(AWCP)の設立
2024年4月2日、日本の東京都練馬区で一般社団法人アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ(AWCP)が発足しました。この非営利法人は、食用動物の飼育環境の向上を目指し、企業と連携してアニマルウェルフェア政策やケージフリー政策を導入していくことを目的としています。
日本は鶏卵の主要消費国であり、AWCPの最初の目標は、国内企業がケージ飼育からケージフリー飼育の鶏卵への切り替えを行うことです。日本は一人当たりの鶏卵消費量が常に世界第3位にランクインしていますが、飼育されている雌鶏の95%が現在、ヨーロッパで禁止されているケージ飼育で育てられています。この現状を改革し、企業が倫理的な調達政策を採用することをサポートするためのリソースを提供します。
AWCPは、動物福祉に関する知識とネットワークを持ち、さまざまな企業に対してケージフリー鶏卵の調達に関するコンサルティングを行います。また、工場的畜産の実態に対する認識を高め、消費者に対する倫理的消費の重要性を普及させる活動も行っています。
アニマルウェルフェアの重要性
「アニマルウェルフェアは、生物多様性、環境保全、公衆衛生など、さまざまな社会的な課題と密接に関わっています。特に鶏卵業界では、ケージ飼育からケージフリー飼育への移行が急務です」とAWCP代表の上原まほは言います。彼女は、日本の鶏卵供給チェーンにおけるケージ飼育の削減に向けて積極的に活動するとしています。
国内ではアニマルウェルフェアの必要性が高まっており、エシカル消費の推進と共に、ケージフリー鶏卵の需要が急増しています。また、ESG投資の一環としてアニマルウェルフェアが企業施策に求められています。とはいえ、行政の支援が乏しく、社会的な認知度が低いため、企業の取り組みには困難が伴うのが現状です。
AWCPは、企業が自社の調達方針としてアニマルウェルフェア政策を効果的に開示できるようサポートしていきます。そのことにより、食品業界や畜産業界がより高い動物福祉に移行する手助けを行っています。
ケージフリー鶏卵とは
具体的にケージフリー鶏卵とは、雌鶏を自由に動き回らせる平飼いや放牧方式で生産された卵を指します。ケージ飼育では雌鶏の自然な動きを妨げ、心身の健康を損なう結果になるため、倫理的な消費を実現するためには、この可動範囲を広げることが必要です。オーストラリアやアメリカなどでは、すでに多くの企業がケージフリー政策を採用しており、日本国内でもその流れが確実に広まっています。多くの企業がアニマルウェルフェア政策を導入し始めていることが、今後の大きな変化を予感させるでしょう。
AWCPの使命
AWCPは、2023年10月に設立された団体であり、アニマルウェルフェアのさらなる向上を目指しています。団体のロゴには、動物の飼育問題を解決していこうという様々な立場の人々の思いが込められています。鶏卵業界におけるケージフリー飼育の普及には、企業、消費者、研究者、そして政策立案者など多様なステークホルダーの協力が必須です。そのためのアプローチを共同で進めていくことが、動物にも人間にもより良い未来をもたらします。
詳細については、
AWCP公式サイトをぜひご覧ください。