子どもの権利を尊重する新たな取り組みが始まる
2023年10月、日本総合研究所は『子どもの権利とビジネス研究会』を設立し、早速民間企業2社と共に活動をスタートさせました。この研究会は、企業が自身の製品やサービス、経営プロセスにおける子どもとの関係を見直し、子どもの権利を尊重する価値やそのための制度を構築する場として位置づけられています。本日、11月20日、子どもの権利条約が採択された日に活動開始を発表したことにも特別な意義が感じられています。
設立の背景
近年注目されている『こども基本法』は、企業に向けて従業員の労働環境の整備を求めているものの、商品やサービスについては触れられていません。しかし、企業にとって子どもは未来の顧客でありビジネスパートナーの一員です。子どもの権利を意識し、尊重することによって、企業は持続可能な社会を実現するための新たな一歩を踏み出すチャンスが生まれます。最近の調査によると、子どもと関わる機会の多い企業の中でも、権利の尊重を本業に取り入れているところは少ないことが明らかになっています。このような状況では、企業の意識改革を促すための支援が急務となっているのです。
活動内容
本研究会では、子ども権利の尊重を企業のビジネスにスムーズに取り入れるための活動を行うことを目標としています。具体的な方法としては、加盟企業の製品やサービスを起点にした子どもの権利に与える影響を評価するためのロジックモデルを作成し、各社のビジネスと権利との関連性を分析します。また、デジタル時代において企業が子どもにどのような配慮をすべきかを考える意見交換の場も提供していきます。
具体的な検討課題
研究会では、以下のような課題が焦点に置かれます。
- - 加盟企業の製品・サービスが子どもの権利に与える影響の分析
- - 子どもの権利を尊重するために必要な経営プロセスの策定
- - 日本での子どもの権利に対する認知度を高める普及活動
専門家からのコメント
本研究会には、有識者や専門家の意見も取り入れられています。弁護士であり国連子どもの権利委員会の委員でもある大谷美紀子氏は、「ビジネスが子どもの権利を侵害しないように意識を高めることが重要です。この研究会がそのきっかけになることを期待しています」と述べています。
また、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの堀江由美子氏は、「企業はすでにいくつかの参考ガイドラインを持っていますが、デジタル社会の変化に応じて子どもとの関わりを深く理解することが急務です」と語っています。
参画企業について
本研究会には、以下のような企業が参加しています。
- - 株式会社イオンファンタジー: 子どもたちの夢を育て、家族が楽しめる安全な遊び場を提供。
- - ソフトバンク株式会社: デジタル時代の中、高度な教育プログラムやスポーツ支援を行い、子どもたちの選択肢を広げる。
このように、『子どもの権利とビジネス研究会』は、将来を担う子どもたちの権利を守り、企業の成長と社会貢献を両立させる意思を持った有意義な取り組みとして注目されています。今後の展開に期待が寄せられています。