台湾のデジタルヘルスにおける新たな提携
2025年7月、アリピン株式会社(AlleyPin)がグローバルな医療データサービス企業IQVIAと戦略的提携を結ぶことを発表しました。この提携は、台湾のクリニックにおけるデジタルヘルスの進化を加速させることを目指しています。両社は、地域医療をより向上させるためのデータ活用とテクノロジー導入モデルの開発に取り組む予定です。
アリピンの取り組み
AlleyPinは医療機関のデジタルトランスフォーメーションや患者関係管理(PRM)に力を入れており、すでに1500以上の台湾の医療機関でその実績を築き上げています。運営効率の向上や患者の定期的な受診を促進する取り組みを進めており、これらの経験を基に今回の提携を実現しました。
目指す未来
提携の中心には、AlleyPinのPRMプラットフォームとIQVIAのデータ分析能力が融合し、データドリブンかつ人間中心のアプローチで信頼関係を深めることがあります。AlleyPinの共同創業者であるKenneth Lo氏は、台湾のクリニックのデジタル化リソースが限られている中で、この協業が大きな一歩となることを強調しています。
提携の具体的な方向性
1.
患者行動データの可視化と最適化:AlleyPinとIQVIAの技術を活用し、受診予約から再診までの患者行動を分析。医療の質と効率を向上させることを狙います。
2.
パーソナライズされた健康コミュニケーション:蓄積した患者との対話データを活かし、クリニックが提供するメッセージをより具体的で有用なアドバイスに変えて、患者エンゲージメントを強化します。
3.
デジタル転換の実証モデル構築:特定のクリニックでAI支援診断や慢性疾患管理、予防医療のテストを行い、再現性と拡張性のあるケアモデルを共に創造します。
情報セキュリティへの配慮
この提携では情報セキュリティと個人情報の保護が優先されており、ISO/IEC 27001およびISO/IEC 27701の国際認証を取得済みです。データの匿名化や通信の暗号化など、多層的な管理体制が整備されています。
医療分野の課題に立ち向かう
高齢化社会や慢性疾患の増加、医療従事者の不足といった問題が依然として続く中、AlleyPinとIQVIAはクリニックでのデジタルヘルスモデルの確立に向けて共に進化していきます。IQVIA台湾支社の総経理である車艶博士も、この提携がデジタルヘルスにおける重要な転換点になることを期待しています。
今後は台湾政府の健康政策とも連携し、地域医療の質向上に取り組んでいく方針です。
アリピンについて
2017年に設立されたアリピンは、医療分野に特化したMedTechサービスプロバイダーです。患者関係管理システム「1.Talk」を通じて、多様な診療科目で導入され、医療機関のデジタル化を進めています。良好な医療と患者の関係構築を目指し、医療機関の支援に努めています。