近年、多様な人材の雇用機会を促進する動きが盛んになっていますが、特に障がい者の雇用問題は依然として課題です。そんな中、フジクラ、NTTデータ経営研究所、そしてアクティベートラボの三社が、従来の枠を超えた新しい障がい者雇用サービスの開発に乗り出しました。
三社の連携は、すでに2017年に始まった「PHYSICAL CHALLENGE 2020」プロジェクトからスタートしました。このプロジェクトは、身体障がい者が直面する障壁を取り除くことを目的としており、その手段としてコミュニティプラットフォーム『OpenGate』が開発されています。このSNSは、当事者同士が繋がることで、情報交換や支援が可能な場を提供しています。
フジクラでは、アクティベートラボの支援を受け、障がい者が戦力として活躍できるよう、採用現場でのマッチングと就労定着を進めています。これにより、社内の障がい者に対する理解も深まり、彼らの活躍の場が広がっています。さらに、フジクラは障がい者に特化した採用サイトも新設しました。これは、求職者が自分に適した職場を見つけるための重要なステップです。
一方、アクティベートラボは、障がい者雇用に対する当事者目線のアプローチが評価され、各種ビジネスコンテストでも受賞を果たしています。特に、最近の三菱総合研究所主催の「ビジネス・アクセラレーション・プログラム」では最優秀賞を獲得し、その取り組みが注目されています。
このような連携によって、企業と障がい者のマッチングが進むだけでなく、社会全体で障がい者への理解を深める効果も期待されています。近年の調査では、民間企業における法定雇用率未達成が50%を超えているという厳しい現実も示されています。これは、企業がいかに障がい者雇用に対して慎重で、時には消極的であるかを物語っています。
フジクラとNTTデータ経営研究所、アクティベートラボの協業によって、新しい障がい者就労のエコシステムが構築されつつあります。これにより、以下のような具体的な目標を掲げています:
- - 雇用支援サービスの提供による障がい者雇用率の向上
- - あらゆる障がい者に対する適正な処遇と業務マッチングの実現
- - セキュリティが保証されたリモートワークの導入
- - バリアフリー基準の策定
- - 企業内制度設計のサポート
これらの取り組みは、障がい者だけでなく、高齢者や育児・介護を行う人々など、多様な属性を持つ人々が共生しながら活き活きと働ける社会の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことに繋がるでしょう。フジクラ、NTTデータ経営研究所、そしてアクティベートラボが展開するこのプロジェクトが、今後どのように進化していくのか、注目されるところです。