人的資本経営の実態
2024-01-11 10:00:03
人的資本経営を重視する中小企業の実態と課題
人的資本経営を重視する中小企業の実態と課題
2024年に入り、企業は新たな方向性を模索していますが、中でも人材育成が特に注目されています。調査によれば、約85%の中小企業経営者が「人的資本経営」を重要視していますが、実践においては多くの課題を抱えていることが明らかになりました。
人的資本経営とは
人的資本経営の概念は、人材を「資本」として位置づけ、その価値を最大限に引き出すことで、企業価値を向上させることにあります。これを実現するためには、自社の環境に合った効果的な人材育成が不可欠です。
欧米の影響と日本の状況
特に欧米では人的資本情報の開示が義務付けられており、日本でもこの動きは始まっています。2023年3月から、一定の企業には有価証券報告書の中で人的資本に関する情報開示が求められ、今後は中小企業にも広がるでしょう。
調査結果の概要
株式会社エフェクトによる調査では、1,006名の中小企業経営者を対象に、人的資本経営の重要性と課題について尋ねました。その結果、約47.3%が「とても重要視している」と回答し、83%が何らかの課題を感じていることがわかりました。
特に「何をすべきかわからない」と答えた経営者も多く、実践が難しいことが明らかになりました。
自社に必要な力
今後の企業に必要な力についての質問では、最も多く「チームや組織を運営する力」が挙げられました。続いて「自ら課題を発見する力」と「問題解決力」が重要視されていることは、現代のビジネス環境においてチームワークと柔軟な思考が求められていることを示しています。
人材育成の実態
調査では、自社内での人材育成方法は多様であり、『自主性に任せている』との回答が多いことがわかりました。また、人材育成に関する研修を実施している企業の約42.7%が「何も行っていない」としており、実際の実施と重要視されていることとの間に大きな乖離があることが示されました。
研修の効果と課題
人材教育や研修の成果についての質問では、約37%が効果が持続しないと述べ、18.5%は効果が見られないと回答しましたさらに、研修の成果が出ていない理由を把握できていない経営者が約85%いることが示され、バックアップ体制やフォロー体制が整っていないことが課題として浮き彫りになっています。
まとめ
この調査結果から、大多数の中小企業経営者が人的資本経営の重要性を理解しつつも、実行に移す段階で多くの課題を抱えていることが浮き彫りになりました。人的資本経営を成功させるためには、方向性の明確化と研修の充実が求められています。また、トヨタの『A3思考術』のような実践的な手法を取り入れることで、企業は成長のための新たな道を切り開けるかもしれません。そのための取り組みが、今後ますます重要になるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社エフェクト
- 住所
- 東京都中央区日本橋3-2-14日本橋KNビル4F
- 電話番号
-
03-5201-3800