量子コンピュータ「黎明」
2025-02-12 08:22:59

理化学研究所に設置された量子コンピュータ「黎明」がもたらす新たな科学の未来

理化学研究所における量子コンピュータ「黎明」の稼働開始



2025年2月12日、埼玉県和光市の国立研究開発法人理化学研究所(以下、理化学研究所)で、量子コンピュータ「黎明(れいめい)」の運用が本格的に開始されました。このコンピュータは、世界最大の総合量子コンピュータ企業であるQuantinuum(クオンティニュアム)が開発したもので、研究者たちが科学的な発見を促進するための新たな舞台を提供します。

理化学研究所とクオンティニュアムの強力な連携



「黎明」はイオントラップ型の量子コンピュータであり、その設置に際して、理化学研究所は世界トップクラスの施設を設計しました。この施設は、次世代の高性能な量子システムへの橋渡しとなることが期待されており、研究者たちはクオンティニュアムの最先端の量子コンピューティング技術にアクセスできるようになりました。特に、物理的に移動することが可能な量子ビットを使用できる特徴から、今まで解決が難しかった様々な研究課題に挑むことが可能です。

ハイブリッド計算プラットフォームの誕生



「黎明」は、理化学研究所が誇るスーパーコンピュータ「富岳」と連携することによって、従来のスーパーコンピュータの能力を超える計算を可能にします。この量子HPC(ハイブリッド・パフォーマンス・コンピューティング)プラットフォームは、科学界での新たな道を切り拓いていくことが期待されており、これによって新しい形式の科学研究が促進されるでしょう。

経済産業省の支援と今後の展望



このプロジェクトは、経済産業省の傘下にある国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの支援を受けて実施されています。2025年には、統合された量子HPCハイブリッドプラットフォームの構築を目指しており、クオンティニュアムと理化学研究所の共同研究やその他のパートナーシップにより、アプリケーションの最適化と量子サプライチェーンの確立が進められます。

量子コンピュータのポテンシャル



理化学研究所 計算科学研究センターの佐藤三久博士は、「黎明の低いエラー率と全結合性が、我々の量子HPCハイブリッドプラットフォームの可能性を大きく広げる」とコメントしています。科学研究における新境地の開拓が期待されているのです。また、クオンティニュアムのCEOであるRajeeb Hazra氏は、理化学研究所での運用開始が同社にとって重要な進展であり、この取り組みが前例のない科学的ブレークスルーに貢献できることを信じています。

理化学研究所とクオンティニュアムの未来



理化学研究所は、1917年に設立された日本唯一の自然科学の総合研究所で、多様な科学分野において質の高い研究を行っています。そして、クオンティニュアムは世界最大の総合量子ソリューション企業として、材料探索、サイバーセキュリティー、次世代の量子AIなどで革新をもたらしています。これからの量子コンピューティングエコシステムの構築に貢献し、日本の科学界を新たな領域へと牽引する役割を果たすことが期待されています。


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会社情報

会社名
クオンティニュアム株式会社 
住所
東京都千代田区大手町1丁目9番2号大手町フィナンシャルシティグランキューブ3階
電話番号

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