Craif株式会社は、2024年10月22日から25日にかけて沖縄県で開催されたAPBJC2024(Asia&Pacific Bioinformatics Joint Conference)において、研究成果「ヒトの尿中マイクロRNAのNGSデータ解析における微生物群が及ぼす影響」を発表しました。
この研究は、尿中マイクロRNAの解析における微生物の影響に着目したものです。マイクロRNAは、細胞の機能を調節する重要な役割を担う小さなRNA分子であり、尿中マイクロRNAは非侵襲的にがんを診断するバイオマーカーとして注目されています。
しかし、尿にはヒト由来のマイクロRNAだけでなく、微生物由来のマイクロRNAも含まれており、それらが解析結果に影響を与える可能性があります。
Craifの研究では、ヒト由来マイクロRNAと微生物ゲノムの相同性に着目し、尿中マイクロRNAの解析における微生物の影響を詳細に検討しました。その結果、従来の解析方法では、微生物ゲノムと同一の配列を持つマイクロRNAが微生物にマッピングされてしまい、マイクロRNAの存在量が過小評価される可能性があることが明らかになりました。
Craifは、これらの問題点を解決するため、微生物のコンタミネーションの有無に関わらず、真のがん由来マイクロRNAを正確に測定するマイクロRNAデータ解析パイプラインを提案しました。この解析パイプラインは、尿中マイクロRNAの解析における精度向上に大きく貢献すると期待されています。
Craifは、今後もNANO IP®︎を用いてがんの早期発見や一人ひとりに合わせた医療を実現するための検査の開発に取り組んでいくとしています。