デジタル庁が発表した法制事務のデジタル化最新動向
令和7年度におけるデジタル庁の調査報告書が明らかにした内容が話題となっています。この報告書は、株式会社アスコエパートナーズと株式会社ぎょうせいが協力し、カナダ、フランス、米国の法制事務のデジタル化をテーマにした調査からの成果をまとめたものです。今回は、その中でも特に興味深いポイントを紹介します。
調査の背景と概要
デジタル庁は、法制事務のデジタル化を進めることによって、効率化を図るとともに、国民への法令データの提供を強化し、新たなサービスの開発を促進することを目指しています。令和7年度の調査では、特にフランス、カナダ、米国の動向に焦点を当て、各国の先進的な取り組みを調査しました。報告書は、法令のデジタル化の進展が単なる業務の電子化にとどまらず、より広範な利活用目的に向かって進んでいることを示しています。
主な調査ポイント
1. 構造化データの活用
フランスでは「ÉDILE」、カナダでは「Arbortext」、米国では「USLM」といった、XMLなどの構造化データを利用した立法支援システムが整備されています。これらのシステムでは法案起草の段階からデータを構造化し、それを法令の編集や公開に直接結びつけることで業務の効率化と品質向上を図っています。これにより、手作業が減少し、より迅速かつ正確な法制処理が実現されています。
2. 法令情報の提供
各国では、精度の高い法令データを一元的に整備し、APIやバルクデータ形式でオープンデータとして提供する動きが進んでいます。これによって、民間企業やリーガルテック企業が新たなサービスを開発できる環境が整いつつあり、法令情報の透明性が大幅に向上しています。
3. AI技術の活用
法令分野では、特に信頼性や正確性が重要視されるため、AIの活用も人間の判断プロセスを重視した「Human-In-The-Loop」が求められています。このアプローチにより、法令改正の提案や法務リサーチ、条文変更点の可視化などで法律の専門家のサポートを行い、業務の効率化が図れています。
4. Rules as Codeの取り組み
「Rules as Code」とは、法令や制度をコンピュータが処理できる形で記述する手法です。米国のNISTによるOCALプロジェクトやフランスの段階的プロジェクト、カナダのコーディングと法令起草の同時進行といった取り組みが行われており、実際の行政プロセスに対する適用が進んでいます。
日本への示唆
調査から抽出された重要な考察は、法令データを社会全体で活用するデジタル基盤として捉えることの重要性です。法案の起草から国会審議、法令制定後のデータ利活用までの一連の流れを社会基盤として位置付け、オープンガバメントやデジタル民主主義に向けての改革が進められています。このような国際的な動向を踏まえることで、日本国内におけるDXと法令データ利活用の発展が期待されます。
アスコエパートナーズは、今後も日本におけるデジタル改革のパートナーとして、法令分野におけるDXの発展に寄与していく方針です。調査報告書の詳細については、
こちらから確認できます。
会社情報
- - 株式会社アスコエパートナーズ: 東京都港区に本社を置き、行政サービスに関わる情報提供事業などを展開。
- - 株式会社ぎょうせい: 法令集や条例集の出版を行い、法令デジタル化にも取り組んでいる老舗出版社。
この調査報告書は、日本における法令デジタル化の今後を考える上で、重要な参考資料となるでしょう。