近年、世界的に高まるうにの需要を受け、岩手県洋野町に本社を置く株式会社北三陸ファクトリーが、ユニークな挑戦を展開しています。代表取締役の下苧坪之典氏が率いるこの企業は、「北三陸から、世界の海を豊かにする」というミッションのもと、サステナブルなシーフードを提供することを目指しています。このたび、北三陸ファクトリーは、国内で初めてうにがEU向け輸出水産食品取扱施設としてEU HACCP認証を取得しました。
EU HACCPとは
EU HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)は、欧州連合が義務づける食品衛生管理手法の一つです。この認証は、原材料の受け入れから最終製品に至るまでの各段階での危害要因を徹底的に分析し、安全性を確保するシステムを導入したことを証明しています。この取得は、今後のうにのEUへの輸出を視野に入れた重要なステップです。
海外市場への展望
さらに北三陸ファクトリーは、Global Sustainable Seafood Initiative(GSSI)の基準に則った漁業や養殖を通じて、環境に配慮したシーフードの供給を進めています。また、2024年2月には中東の食品見本市「Gulfood」に出展し、自社の商品である「洋野うに牧場四年うに 凍結うに」と「UNI&岩手産バターSPREAD(うにバター)」がイノベーションアワードの最終選考にノミネートされています。
世界を見据えた経営
北三陸ファクトリーは、2025年にはアメリカのボストンで開催される「Seafood Expo North America」や、スペインの「Seafood Expo Global」にも出展を計画しています。これに伴い、フランス、イタリア、オランダを中心に、EU市場での販売を拡大する方針です。市場のニーズに応じた高品質のサステナブル・シーフードを提供することで、さらなる成長を目指します。
自社独自の育成技術
同社が提供するうには、独自の「うに牧場®︎」で育てられています。サステナブルな養殖方法を採用し、高品質なウニのブランドを確立しています。このような活動を通じて、持続可能な水産業の未来を築こうとする北三陸ファクトリーは、海の豊かさを守りながら、食の楽しみを広げる取り組みを進めています。2023年にはオーストラリア法人を設立し、国内外でのビジネス展開にも力を入れています。
企業の成長と採用情報
北三陸ファクトリーでは、企業の成長に伴い、積極的な人材採用を行っています。経営企画部長やグローバル営業部長などのポジションでの募集も行っており、新しい力を求めています。
企業理念を実現するため、新たな挑戦を続ける北三陸ファクトリーは、地域の特性を活かしながら、国際市場へも進出することで、持続可能な未来へ向けた大きな可能性を秘めています。今後のさらなる展開に、期待が寄せられます。