カルディオインテリジェンスと新日本科学の共同研究
2025年8月21日、東京都港区に本社を構える、株式会社カルディオインテリジェンスが鹿児島県鹿児島市に本社を持つ株式会社新日本科学との間で、共同研究開発契約を締結しました。この契約に基づき、AIを活用した「長時間心電図用連続QT解析技術」及び「不整脈解析技術」による受託試験サービスの基盤を構築していきます。
共同研究の背景と目的
新薬開発の過程において、医薬品が持つ安全性を確認することは非常に重要です。特に心臓に関する影響を調べる「安全性試験」が必須であり、その中心になるのが「心電図」検査です。この検査を通じて、副作用や異常を早期に発見し、例えば「QT延長」と呼ばれる心電図上の異常を見逃さないようにすることが求められています。このQT延長が重症化すると、失神や生命に関わる不整脈を引き起こす恐れがあります。
医薬品規制調和国際会議(ICH)の新しいガイドラインでは、安全性試験の実施に際し、24時間以上にわたる連続心電図解析が推奨されています。しかし、この膨大なデータを人の目でチェックするのは労働集約的であり、多くの時間と労力を要するのが現実です。そこで、カルディオインテリジェンスが開発したAI技術を用いた自動解析システムと、新日本科学の製薬業界での豊富な経験を組み合わせることで、効率的で信頼性の高い心電図データ解析サービスを提供することを目指しています。
今後の展望
この共同研究を通じて業務効率化が図られることにより、医薬品開発が一層活性化することが期待されています。新薬の開発は多くのステップを踏む必要がありますが、安全性試験の効率性を高めることで、より短期間で新薬が市場に出る可能性が高まります。成果は国内外の学会での発表や学術論文の投稿を通じて広く周知し、医療界全体に貢献していきます。
企業紹介
株式会社カルディオインテリジェンス
カルディオインテリジェンスは、ディープラーニングを駆使して医療検査領域に革新をもたらすヘルステックベンチャーです。高度なAI解析技術を提供し、医療従事者の負担を軽減することを目指しています。
- - 設立: 2019年10月
- - 代表者: 田村雄一
- - 所在地: 東京都港区東麻布1-25-5
株式会社新日本科学
1957年に創業した新日本科学は、国内初のCROとして医薬品開発の受託研究を行っています。環境や人材を大切にしながら、医薬品開発全ステージをサポートするためのノウハウを持っています。
- - 設立: 1957年
- - 代表者: 永田良一
- - 所在地: 鹿児島県鹿児島市宮之浦町2438
この共同研究が医薬品開発の未来へどれほど寄与するのか、今後の展開が注目されます。