ラーメン店市場がついに7900億円へ成長、その背景と展望

ラーメン店市場が活況！7900億円の見込み

株式会社帝国データバンクによると、2024年度の「ラーメン店市場」は7900億円に達する見込みです。この数字は、過去10年間で1.6倍の成長を示しており、集計可能な2010年度以降で最高の結果です。特に上位50社の店舗数は6200店を超え、過去最高を更新しました。このような成長は何によって支えられているのでしょうか？

市場拡大の要因

ラーメン店市場の拡大は、いわゆる「家系ラーメン」や「濃厚豚骨ラーメン」などの人気チェーン店が積極的に新規出店を行ったことが大きな要因です。また、売上高が上位50社の店舗数は、10年前に比べて1200店以上増え、初めて6000店を超えています。この結果、コロナ禍で減少した店舗数は回復基調にあります。

さらに、2024年度のラーメン店は44.7％が増収を達成しており、前年に引き続き回復の兆しを見せています。増益を確認したラーメン店も55.0％に達し、これも2010年度以降で最高の割合です。この数字からも、業界が回復軌道に乗っていることが伺えます。

経営の課題と対策

一方で、ラーメン店が直面している経営上の課題も無視できません。原材料の高騰や人件費の上昇が経営を圧迫しており、スープの炊き出しにかかるコストも増加しています。帝国データバンクの「ラーメン原価指数」によると、2024年度の原価指数は2020年度に対して29％も上昇しています。これにより、ラーメンの提供価格に影響を及ぼしているのです。

そのため、多くのラーメン店では、新メニューの導入やセットメニューの強化により、客単価の向上を図っています。値上げが難しいという現状を踏まえた戦略が求められています。

倒産件数の減少と二極化する収益

2024年度には、権利整理を行ったラーメン店の倒産件数が62件に減少し、過去最多だった前年の72件から落ち着いた形を見せています。とは言え、多くの倒産したラーメン店は原材料費の上昇に価格転嫁が追いつかずに経営の行き詰まりを招いています。

経営効率の観点で見ると、チェーン店と中小企業との間で収益力の二極化が進んでおり、店舗網の拡大や効率的なオペレーションを活かして安定した利益を上げているチェーン店が多く見受けられます。一方で、中小・個人店は厳しい状況が続き、経営体力に差が現れているようです。

今後の展望

ラーメン事業への新規参入も目立つ昨今、外食チェーンがラーメン市場に加わるケースが増加しています。市場シェアが約25％と見られるラーメン店チェーンの上位3社においても、シェア拡大の余地は大きく、これからの市場成長が期待されます。大手チェーン店が新たに進出することで、市場全体の盛り上がりが期待されるでしょう。更に、日本式ラーメンの国際的な評価も高まっており、海外からの観光客を呼び込むチャンスも拡がっています。

今後のラーメン市場の発展に目が離せません。2025年度以降も高い成長が見込まれるこの分野で、どのような新たな動きが見られるのか、注視していきたいと思います。