飲酒時の安全意識を高める！酒場向け防災プロジェクト始動

飲酒者向け防災プロジェクトが始動

長野県軽井沢町に本社を置く株式会社ヤッホーブルーイングが、新たに飲酒者向け防災啓発プロジェクト『お酒好きのための防災プロジェクト』をスタートしました。このプロジェクトは、酒場での飲みにおける防災意識を高めることを目的としており、特に自然災害の多い日本においては、その必要性がますます高まっています。

地震時の安全確保に焦点を当てて

プロジェクト第一弾として取り組むテーマは「酒場における安全確保の声かけ」です。具体的には、居酒屋やバーなど飲酒を提供する場所において、地震などの災害が発生した場合にどのように顧客の安全を確保するか、という点にフォーカスしています。

高荷智也氏を監修に迎え、『酒場のための地震防災ガイドライン』が策定されました。このガイドラインは、酒場のスタッフが実際の状況に応じて適切に行動できるための具体的な指示が含まれています。例えば、設備や店舗の構造に基づいて、飲酒者の特性を考慮した安全確保の声かけが提案されます。

スタッフ向けの防災セミナー

さらに、忘年会シーズンに向けて『飲食店スタッフ向け防災セミナー』が新宿で開催されます。このセミナーは、飲食店の経営者やスタッフが多くの飲酒者を相手にどのように声かけを行い、安全を確保するかを学ぶ絶好の機会です。災害発生時には、酔っている顧客の行動が通常の状況とは異なるため、適切な対応が求められます。

参加者には、災害時に効果的な声かけ方法や実際の現場で役立つ訓練が提供され、特に飲酒時の判断力低下を考慮した内容となっています。この機会を通じ、飲食業界全体での防災意識の向上が図られることが期待されています。

飲酒時の防災意識の低さ

事前に実施された意識調査によると、飲食店でお酒を飲んでいる時に災害が起こることを想像したことがある人はわずか34.7％にとどまり、過半数がその意識を欠いていることが明らかになりました。また、酩酊時の状況では安全確保や避難行動に無力であると考えている人が約半数に達しています。

この結果からも、日常的に多くの人が集まる酒場における防災対策の重要性が浮き彫りになりました。なぜなら、酔っ払っている人は適切に行動できない可能性が高いため、スタッフの安全意識と行動指導が不可欠です。

聴覚的な対策も

酒場は騒がしい環境であるため、声かけが届きづらいという問題も抱えています。そこで、ヤッホーブルーイングは有限会社日本音響研究所などと共同で、「キコエール」という防災用電子メガホンを開発しました。このメガホンは、特定の周波数帯域を持つ声に変換する機能を有しており、騒音環境下でもスタッフの声がはっきりと届くように設計されています。

このように、飲酒者が防災意識を持つことが重要視される中で、ヤッホーブルーイングの取り組みは多くの人々に影響を与えることが期待されます。酒場で飲むときにもしも地震が起きたら、どのように行動するべきかを考えるきっかけとして、多くの人々にこのプロジェクトが広がってほしいものです。