文京区立森鴎外記念館特別展「111枚のはがきの世界」
文京区立森鴎外記念館は、2024年10月12日(土)から2025年1月13日(月・祝)にかけて、特別展「111枚のはがきの世界―伝えた思い、伝わる魅力」を開催します。本展は、明治から昭和にかけてのはがきコレクションを通して、その時代を生きた人々の交流や思いを伝えます。
この特別展の出品資料には、著名な文学者や美術家からのはがきが集められています。寄贈者は江戸千家の家元、川上宗雪氏で、これらは明治20年代から昭和50年代にかけて交わされたものです。寄贈された111枚のはがきには、森鴎外、夏目漱石、与謝野晶子、石川啄木、芥川龍之介、宮沢賢治といった文豪たちの筆跡が記されています。さらに、竹久夢二や藤田嗣治のような美術家からのものもあり、各界で活躍した人々の想いが詰まっています。
展示されるはがきの内容は多岐にわたります。季節の挨拶や事務的な連絡から、個人的な思いを綴った私信まで様々です。手書きのはがきには、書き手の個性や受取人との関係性、そして当時の社会情勢が見え隠れし、来場者にとっては深い感慨を呼び起こすことでしょう。本展では、これらのはがきを通じて、多様な人々の交流や文化的・社会的背景を紐解いていきます。
信じられないことに、展示の中には各筆者の全集にも触れられていない貴重な資料が含まれています。例えば、森鴎外が大正5年に宛てたはがきは、彼の作品『北條霞亭』に関連する貴重な手紙であり、初めて公開されるものです。また、石川啄木からの年賀状も紹介されており、交流の深さが伺えます。
特別展の開催概要は以下の通りです。
- - 会期: 2024年10月12日(土)~2025年1月13日(月・祝)
- - 休館日: 10月22日(火)、11月26日(火)、12月23日(月)、12月24日(火)、12月29日(日)~1月3日(金)
- - 開館時間: 10時~18時(最終入館17時30分)
- - 会場: 文京区立森鴎外記念館
- - 観覧料: 一般600円(団体割引あり、20名以上480円)。中学生以下や障害者手帳提示者は無料。
- - 監修: 須田喜代次氏(大妻女子大学名誉教授、森鷗外記念会会長)
さらには、関連事業として、展覧会に合わせた講演会やギャラリートークも用意されています。講演会では、著名な研究者たちの話を通じて、はがきの魅力をより深く味わうことができます。
文京区立森鴎外記念館は、イベントや常設展示も充実しており、多くの人々に文化を楽しむ場を提供しています。特別展「111枚のはがきの世界」では、過去の名文家や芸術家たちの心を感じ、時代を超えて伝わる思いを体感できる貴重な機会です。
ぜひこの機会に、文京区立森鴎外記念館を訪れ、文化と歴史を感じるひとときをお楽しみください。