売り場づくりに関する調査結果の考察
販促クラウド「SPinno」を展開する株式会社SPinno(東京都中央区)は、小売企業の売り場担当者438人を対象に行った調査結果を公表しました。調査からは、店舗の売り場づくりにおける現状や期待される効果、直面している課題が明らかになりました。
調査の概要
調査は2024年7月8日から11日の期間内に、全国の50店舗以上を有する小売流通企業に勤務する20代から50代の男女を対象にインターネットで実施されました。集計された結果は421名の有効回答とされ、売り場担当者の実態に迫った貴重な情報を提供しています。
売り場変更の頻度とその期待
約60%の売り場担当者が、売り場の変更を「週1回以上」行っていることが判明しました。具体的には、ディスプレイの変更や販促物の設置に取り組んでいる実態が見えます。特に期待する効果は、1位が「販売促進、売上向上」、2位が「店舗への集客力向上」といった結果が出ており、鮮度や季節感を重視する姿勢が感じられます。
一方、売り場担当者が掲げる「売り場づくりによって実現したい効果」と「実際の業務で感じる課題」には明確なギャップが存在しました。期待する効果に対して、実際にはそれを測定するのが難しいとの回答が多く、特に「効果測定ができない」という課題は上位を占めました。これは、売上や集客を数値で示したいという意欲と、実際にそれを測る手法が不足している現実を示しています。
課題の詳細とその影響
調査によると、効果測定が難しいとされる一因には「業務時間内に作業ができない」という実態もあります。売り場の変更を頻繁に行いながらも、通常の業務に追われていることから、十分な時間を確保できていない現状が浮かび上がりました。具体的には、販促物の作成を本部や管理部門だけでなく、店舗内で行う担当者も4割を超え、各店舗が独自に販促物のデザインや制作に取り組んでいる様子が伺えます。これは現場での工夫や柔軟性を持たせる一方で、業務の重複や効率の悪化を招いている可能性も考えられます。
期待される解決策
これらの課題を踏まえ、売り場担当者の業務を効率化し、効果測定を容易にするツールの必要性が一層高まっています。SPinnoが提供する販促クラウドは、販促物のデザインから発注、出荷依頼までを一元化できるシステムであり、業務の効率化とデータの可視化を実現します。この手法が多くの小売企業に採用されることにより、売り場づくりにおける実践的な課題の解決が期待されます。
まとめ
小売業界が直面する「販促・売上向上」と「効果測定の難しさ」という課題は、今後も解決に向けていくつかの手法を模索し続ける必要があります。特に消費者ニーズが多様化する中で、実店舗ならではの価値を提供し続けるためには、柔軟で迅速な対応が求められます。今後の市場動向や新たなテクノロジーの導入が、店舗の売り場づくりにどう影響するのか、引き続き注目していきたいところです。