ラトックシステムの新機能とは
ラトックシステム株式会社が提供する「IoT温調器遠隔監視システム」は、スマートフォンやPCを用いて温度データを可視化し、遠隔操作を可能にするシステムです。この度、同システムに「異常通知機能」が追加され、現場での監視が一層強化されました。
背景:人手不足がもたらす現場の課題
製造業界では、人手不足が深刻化し、巡回点検の負担が一部のスタッフに偏っているのが現状です。そのため、温度異常や警報発生に気づくのが遅れ、製品ロスや生産の停滞といったリスクが増加しています。こうした状況を改善するために、異常を迅速かつ確実に把握できる仕組みが求められていました。
新たな異常通知機能の概要
この新機能では、既存の温度異常通知に加え、各種機器からの警報信号の通知が可能になりました。これによって、温度の管理と設備の異常をスマートフォンやPCから一元管理できるようになります。また、警報通知はプッシュ通知に加え、回転灯などで物理的なアラートも出すことが可能です。
導入のメリット
1.
人手不足対策:巡回点検の負荷を軽減し、少人数でも複数の拠点を効率的に管理できます。
2.
品質の安定化:温度の逸脱や設備異常を即座に検知し、製品ロスを抑えられます。
3.
稼働率の向上:異常を早期に発見することで、ダウンタイムを最小限に抑えられます。
4.
現場と遠隔の統合したアプローチ:スマホ通知と回転灯を組み合わせ、現場でのアラート通知を両立させます。
システムの具体的な機能
遠隔からの温度確認と変更
ユーザーは、スマートフォンやPCを通じて、各温調器からの温度データをブラウザで確認できます。また、必要に応じて設定温度を遠隔で変更することも容易です。
温度データの記録
温度データは常時クラウド上に蓄積され、CSV形式でダウンロードが可能です。これにより、温度管理表や運用レポートの作成が容易になり、分析にも活用できます。
設備工事不要で導入が簡単
このシステムは、LTE-Mで接続されるため、特別な通信設備は不要です。無人の施設や遠隔地にあるビニールハウスにも簡単に設置できます。無線通信により最大500mの通信が可能で、中継器を利用すれば1kmまでカバーできます。
警報信号のスマホ通知
RS-485に加え、無電圧接点を搭載し、温調器や制御盤からの警報をスマホに通知したり、遠隔地の回転灯、ブザーへ出力することができます。
主な利用ケース
このシステムは、主に温浴施設や製造業など多様な業界での利用が期待されており、夜間や無人時間帯でも異常のリアルタイム通知が可能となるため、管理者不在でも安心です。
価格と今後の展開
ハードウェア価格は、機材一式(IoT通信ユニットとゲートウェイ)で20万円(税別)から始まります。導入後2年以内のライセンス料はゲートウェイ代に含まれており、その後は年15,000円(税別)となります。
今後、ラトックシステムは温度や設備異常の監視にとどまらず、既存設備やセンサーとのデータ連携を進める方針を示しており、柔軟なDX化を目指して最適なソリューションを提供していく予定です。