アンリツとLITE-ON社が協力し5G NRのパフォーマンス試験を実施

近年、通信技術の進化に伴い、5Gネットワークの構築が進んでいます。その中で、アンリツ株式会社とLITE-ON Technology Corporationが手を組み、5G NR（New Radio）のオープン無線アクセスネットワーク（O-RAN）に関するパフォーマンス試験を行うことが発表されました。

本試験では、アンリツの先進的なラジオコミュニケーションテストステーションであるMT8000Aと、O-DUエミュレータプラットフォームソフトウェアMX773000PCを利用する予定です。これにより、LITE-ON社のO-RU（O-RAN Radio Unit）に対する検証をサポートし、両社はO-RAN技術の発展に向けた努力を共同で進めていきます。

従来の無線アクセスネットワークでは、各ベンダの機器が互いに接続できないという制限がありました。しかし、O-RANインタフェースの導入が進むことで、異なるベンダの機器を相互接続可能にし、コストを抑えつつ柔軟性と拡張性を備えたRANの実現が期待されています。これにより、通信企業はインフラの自由度を増し、顧客や市場のニーズに速やかに応じられるようになります。

LITE-ON社は、O-RAN仕様に基づいたSub-6 GHz帯のO-RUを含む5Gプライベートネットワークソリューションを展開しており、商用の5G基地局のベンダとの統合テストを行い、実績を上げています。このような取り組みにより、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアの統合を実現し、通信事業者がO-RANの導入を加速できるような環境を整えることを目指しています。

アンリツは、O-RAN ALLIANCEの貢献メンバーとしても知られ、無線および有線両方の通信品質テストソリューションを提供しています。MT8000Aは5G NRのmmWaveおよびSub-6 GHz基地局のRF特性テストをサポートし、試験の効率性を向上させることができます。また、MX773000PCではO-DUの動作を模擬し、O-RANのフロントホール仕様に従ったテストを実施できます。

LITE-ON社のSmart Life Applications SBUのゼネラルマネージャであるRichard Chiang氏は、「アンリツは、5G基地局の開発や製品検証を進める上で欠かせないパートナーです。アンリツが提供するテストソリューションは、当社のソリューションの品質と安定性を向上させるものです。」とコメントしています。彼は、今後も包括的な5Gソリューションを提供することで、顧客の商用展開を後押しし、O-RANのオープンアーキテクチャの推進に貢献していくと述べました。

台湾のアンリツにおけるゼネラルマネージャであるIvan Chen氏は、LITE-ON社との協業がO-RAN技術の推進にとって極めて重要であると語り、今回の取り組みを通じて多様なテストニーズに対応し、モバイル通信技術の検証能力を高めることができると強調しました。

このように、アンリツとLITE-ON社の協業は、5G O-RANのテストソリューションを支え、試験技術の先端を行く取り組みとして注目されています。今後の進展に期待が寄せられています。

LITE-ON Technology Corporationは1975年に設立された台湾の企業で、LEDのパイオニアとして通信技術分野においても広く知られています。彼らの技術力は、通信の未来を切り拓く力強い一助となるでしょう。