キャッシュレス決済に潜むリスクと防犯意識調査の結果を分析
TIS株式会社が実施したキャッシュレス防犯意識調査によると、約6割の回答者がキャッシュレス決済に伴う防犯対策を意識していますが、一方でパスワードの使い回しも約6割にのぼり、意識と行動との間に大きなギャップが見られます。これは、現在進行中のキャッシュレス化において、利用者が直面するリスクを浮き彫りにしており、今後の課題と捉えるべきでしょう。
調査の概要
この調査は、都道府県を問わず全国の15から69歳の男女600名を対象に行われ、キャッシュレス決済に関わる不正利用や詐欺に対する認知、ならびに防犯意識を探るものです。調査結果によると、2030年までに日本国内のキャッシュレス決済比率は65%、さらに将来的には80%を目指す方針が示されています。しかし、キャッシュレス決済の普及に伴い、新たなリスクも出現しています。
キャッシュレス決済のリスク
最近のデータでは、2025年のインターネットバンキングにおける不正送金の被害総額が104億円を超えると予測されており、特にフィッシング詐欺やスマートフォンの不正利用が増加しています。これにより、キャッシュレス決済の利用者は、より一層の防犯対策が求められる状況にあります。
調査結果の重要ポイント
調査から得られた以下のポイントは、現状の問題を浮き彫りにしています。
1.
被害の経験者: 約7人に1人がキャッシュレス関連の被害を経験しており、特にパスワードの漏洩や暗証番号の不正利用が多く報告されています。
2.
パスワードの使い回し: 60%近くの回答者がパスワードを使い回しているとし、特に10代の若者が最も多い傾向が見られました。
3.
防犯対策の意識: 約6割が防犯対策に気を配っているものの、特に10~30代で無防備な人が多いことが指摘されています。
4.
財布とスマホの紛失: 約3割の人が財布やスマートフォンを紛失しており、特にスマホを失うことへの恐れが高まっています。
5.
被害意識の低さ: 66%が自分は詐欺の被害に遭いやすいと考えていないという結果が出ていますが、これは危機感の不足を示している可能性があります。
6.
安全な決済手段: 生体認証や暗証番号による認証が最も安心できる決済方法と回答され、約25%の人がこの方法を好んでいます。
今後の展望
誤解や知識不足からくる行動のギャップを埋めるため、教育や啓発活動の充実が求められます。また、企業は利用者が直感的に分かるような安心して使える仕組みを構築する必要があります。今後のキャッシュレス社会においては、技術の進展とともに、利用者自身の危機意識を高めることが重要な課題です。特に、不正利用の早期発見が被害拡大の防止に繋がるため、定期的な利用履歴の確認が推奨されます。
TISが提供する「PAYCIERGE」などのサービスがその鍵を握ります。ユーザーが自在に決済の上限を設定したり、不正利用の兆候をAIで検知する機能が組み込まれているため、安全性の高い決済環境を実現できると期待されています。
結論
キャッシュレス決済は、便利でありながらリスクを伴います。利用者の意識を高め、企業も責任を持って安全性を確保することが、より良いキャッシュレス社会の構築につながるでしょう。